研究課題/領域番号 |
18K15065
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
脇田 将裕 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員(常勤) (70794668)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 細胞老化 / セノリティックドラッグ / 炎症 / がん / 加齢 / 老化細胞 |
研究成果の概要 |
本研究課題において、セノリティックドラッグの候補薬剤であるARV825による細胞死誘導のメカニズムについて解析したところ、ARV825は老化細胞で主に働くDNA二本鎖切断の修復機構である非相同末端結合の抑制と同時にオートファジー関連遺伝子の発現を上昇させることでアポトーシスを引き起こすことが明らかとなった。さらに、加齢性疾患であるがんにおけるARV825の効果について、肥満マウスに肝がんを形成促進させる実験モデルや皮下移植したがんに抗がん剤処理後、がんが再増殖する実験モデルにてそれぞれ検証し、老化細胞を除去できるとともに、肝がんの進展やがんの再増殖を抑制できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発がんストレスを受けた細胞はがん抑制機構として働く細胞老化を起こすが、近年、この細胞がさまざまな炎症性物質を分泌することにより、がんや神経変性疾患などの加齢性疾患の症状を進行させる慢性炎症に関与することが明らかになりつつある。そこで、老化細胞除去作用を持つセノリティックドラッグの実用化が期待されている。本研究課題では、ARV825がセノリティックドラッグとして作用することで、がん治療へアプローチできる可能性を示した。さらに、老化細胞を細胞死へと誘導する分子メカニズムを明らかにしたことにより、今後さらに安全かつ効果的なセノリティックドラッグの開発へ発展していくことが期待される。
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