研究課題
若手研究
本研究では、HBVマウス感染モデルを用いてHBV感染細胞由来の細胞外小胞(EVs)が、HBV関連病態への影響、腸管免疫に対する役割の解明を試みた。その結果、HBV感染細胞由来EVsは免疫応答を強く抑制し、HBVマウス感染モデルではHBV複製細胞の排除を抑制し、肝臓所属リンパ節における樹状細胞でPD-L1の発現が上昇することが重要である可能性が示唆された。また、骨髄細胞に感染細胞由来EVsを添加すると、腸内の免疫調節性DC集団であるCD11c+ CD11b+ CD103+ 細胞の割合が増加した。この結果から、HBV感染細胞由来EVsを取り込んだ骨髄細胞が腸管免疫に影響を与える可能性が示唆された。
これまで、HBV感染細胞から放出される細胞外小胞(EVs)の機能を解析した研究はなされてきたが、全てIn vitroでの研究であった。本研究は、HBV感染マウスモデルを使って初めてIn vivoでHBV感染細胞由来EVsの機能を明らかにしたものである。この機能は、HBV感染細胞由来EVsは免疫応答を強く抑制し、HBV複製細胞の排除を抑制するものである。さらに、HBV感染細胞由来EVsは腸管免疫にも影響与えている可能性を示唆する結果も得られた。これらの結果は、B型肝炎関連病態の理解を深めるとともに、新規治療の開発への足がかりとなることも期待できる。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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