研究課題/領域番号 |
18K15134
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
佐藤 絵美 福岡大学, 医学部, 講師 (10803893)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | カポジ水痘様発疹症 / 単純ヘルペスウイルス / 表皮バリア機能異常 / ダリエ病 / アトピー性皮膚炎 / 二次感染症 / ATP2A2 / 細胞外マトリックス / 皮膚悪性腫瘍モデル / 上皮間葉転換 / 紡錘形細胞型有棘細胞癌 / 糖鎖 / 単純ヘルペスウィルス / 黄色ブドウ球菌 |
研究成果の概要 |
今回我々はATP2A2遺伝子をサイレンシングした角化細胞を用いることで、ダリエ病様の皮膚バリア機能障害のある三次元表皮モデルを樹立した。 通常の三次元表皮では、角層上に単純ヘルペスウイルス (HSV)のKOS株を添加してもウイルスが表皮内へ侵入することは不可能だが、このバリア異常モデルではHSVが角層を超えて表皮内に侵入し表皮全層に感染を認めた。Poly(I:C)単独または抗菌ペプチドLL37を加えた前処理は、IFN-β産生を増強し、このバリア異常モデルでのウイルス複製を抑制した。 さらにHSVの糖タンパクと強力に結合するヘパリンを含有した軟膏の角層への塗布は、HSVの侵入を強力に阻害した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎またはダリエ病などによる表皮バリア機能障害は、しばしば皮膚に重度の二次感染症を引き起こす。 表皮バリア障害のある患者は、単純ヘルペスウイルス (HSV)によって引き起こされるカポジ水痘様発疹を繰り返し発症することがよくあるが、そのメカニズムと予防法はまだ見つかっていない。今回私たちは三次元の表皮バリア異常モデルを樹立し、これを用いて自然免疫を強化したりウイルスの侵入阻害が二次感染予防に繋がる可能性を示した。私たちの表皮バリア機能異常モデルは、今後もカポジ水痘様発疹を含む皮膚二次感染症の発症のメカニズム、予防法および治療効果を判定するためのツールとして役立つと考える。
|