研究課題/領域番号 |
18K15147
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
後藤 和義 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20626593)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | Vibrio alginolyticus / 細胞死 / 鉄 / ビブリオ / リソソーム / フェロトーシス |
研究成果の概要 |
本研究課題は、ビブリオ・アルギノリティカスのIII型分泌装置エフェクター分子であるVepAによる鉄依存的細胞死メカニズムについて解析を行った。組換えVepAタンパク質をHeLa細胞内にトランスフェクションし、誘導される細胞死を観察した。細胞膜透過性の二価鉄キレート剤により菌体感染による細胞死は完全に抑制されるのに対し、組換えVepAによる細胞死では抑制効果は部分的であった。VepA依存的細胞死誘導への鉄の関与は否定的となった。また、カテプシン、カルシウムイオン、プロトン、小胞体ストレスの関与も低いと考えられた。VepA依存的細胞死は新規の細胞死メカニズムが関与している可能性が高い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞生物学において細胞死は大きくネクローシスとアポトーシスに分けられると考えられてきた。近年、この二分類のみならずさまざまなタイプの細胞死経路が報告されている。病原細菌は宿主であるヒトの細胞に対し多様な細胞死を引き起こしていると考えられるがその多くは未だ謎のままである。本研究成果は病原細菌がカスパーゼ依存的アポトーシスという新しいタイプの細胞死を誘導することを見いだした。細菌学の研究から細胞生物学の新しい知見が得られるという点は、異分野研究が相互に関与することで科学が進歩するという意義がある。本研究成果はその一例と考えられる。
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