研究課題
若手研究
上皮間葉転換(EMT)とその逆反応であるMETは癌悪性化の様々なステップで重要である。しかし現在までにEMT/METによる上皮・間葉形質の可塑性の詳細な分子機構は解明されておらずこの機構を標的とした治療法は存在しない。我々は以前に、Triple-negative乳癌(TNBC)において一部の細胞株では上皮様と間葉様の細胞が一定の比率で共存していることを見出し、腫瘍内の上皮・間葉形質の可塑性を解析可能なモデルとして提唱した。本研究では、この可塑性をCRISPR/Cas9とプール型gRNAによって網羅的に解析し、様々な遺伝子がTNBCの上皮・間葉形質の可塑性に関与していることを明らかにした。
乳癌は外科的切除により予後が大きく改善する癌腫であるものの、現在でもTNBCなどでは転移が起きてしまうと予後を改善することは難しい。この転移を予防・治療するためにはその根本的な機構を解明する必要がある。上皮間葉転換(EMT)は転移や再発に重要な機構であるが、腫瘍内におけるEMTとその逆反応METの平衡関係を決定する機構はいまだによくわかっていない。本研究では転移を標的とした治療法開発を目的としてその機構の一端を明らかにした。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
The Journal of Biological Chemistry
巻: 294(14) 号: 14 ページ: 5677-5687
10.1074/jbc.ra118.004579
Communications Biology
巻: 2 号: 1 ページ: 292-292
10.1038/s42003-019-0547-7
Breast Cancer Res.
巻: 21, 1 号: 1 ページ: 1-12
10.1186/s13058-018-1086-8
J Clin Invest.
巻: 128 号: 12 ページ: 5603-5619
10.1172/jci121679
Retrovirology
巻: 15 号: 1 ページ: 1-11
10.1186/s12977-018-0410-9