研究課題
若手研究
B細胞性腫瘍の表面抗原であるCD19と、T細胞の表面抗原であるCD3の両方を標的とする二重特異性抗体であるBlinatumomabは、新規癌免疫療法として近年注目されている。本研究では、①トリプトファン欠乏およびキヌレニン過剰状態が、Blinatumomabが結合したT細胞に与える影響の解析、②IDO陽性腫瘍に対するBlinatumomabの抗腫瘍効果の検討、③IDO阻害剤併用Blinatumomab療法の有効性の解明の3つを行った。
ブリナツモマブは新規抗体医薬品で、急性リンパ性白血病(ALL)に対して2017年にアメリカで承認されたました。Blinatumomabの臨床試験での奏効率は約50%であり、既存の治療法に比べてきわめて効果的ではあるが、一方で約半数の患者においては、効果が乏しいのが現状である。そのため、Blinatumomabの治療効果予測のバイオマーカーや、効果を高める治療法の開発が期待されてます。今回、我々はBlinatumomab療法の効果が抑制されている理由が、癌細胞中のIDOによってトリプトファンが代謝され、産生されたキヌレニンによるものであることを明らかにしました。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Nutrients
巻: 12 号: 4 ページ: 978-978
10.3390/nu12040978