研究課題
若手研究
デスモイド型線維腫症の腫瘍組織よりCTNNB1遺伝子変異を同定し、腫瘍細胞を分離・培養した。臨床的予後が不良とされるS45F変異型の細胞では、他の遺伝子変異型細胞と比較しβ-cateninの核内移行を強く認めた。新規治療薬としてドラッグスクリーニングにて候補薬を選定したが、S45F変異型細胞では既存治療薬も含め各薬剤に対する抑制効果が相対的に低いことが示された。またWntシグナル系遺伝子も他の遺伝子変異型細胞と異なった発現プロファイルを呈しており、これがS45F変異型腫瘍における高い薬剤抵抗性や再発率など特異的な臨床経過に関与している可能性が示唆された。
デスモイド型線維腫症においてCTNNB1遺伝子変異はそれ自体が診断的意義を持つと同時に、その変異型が臨床的な術後再発率や薬物治療効果と相関することが報告されており、近年実臨床においても診断や治療方針の決定に有用なツールとなってきている。本研究では治療抵抗性のS45F変異型腫瘍の臨床的特徴と、細胞の分子生物学的性質について相関性が示された。今後さらに解析を進めることで、治療抵抗性の症例に対してより治療効果の高い薬剤の開発や、他の変異型を含めたより厳密な治療マーカーの確立化などが期待される。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件)
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