研究課題/領域番号 |
18K15340
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
長谷川 拓 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 特任研究員 (90713256)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 運動障害 / 大脳基底核 / 視床下核 / 分子遺伝学的手法 / 運動制御 / 化学遺伝学的手法 / DREADD / 脳深部光刺激デバイス / 光遺伝学的手法 / 分子遺伝学的神経活動制御 / 運動異常 |
研究成果の概要 |
大脳基底核は運動の制御に関わると信じられているが、実際にどのように運動を制御しているのかは明らかではない。本研究では、神経細胞の活動を薬剤投与によって可逆的に制御する化学遺伝的手法を大脳基底核の視床下核と呼ばれる小領域に適用した。視床下核の活動を抑制すると、反対側の前肢に不随意運動が現れ、滑らかな運動がぎこちなくなった。その時の大脳基底核の出力の神経発火を計測すると、発火頻度はほぼ変わらないものの、神経活動パターンが不規則になった。この結果は大脳基底核の視床下核はその出力を規則的にすることで滑らかな運動を実現していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳基底核の障害は運動が寡少になるパーキンソン病や、逆に過剰な運動が起きるハンチントン病やヘミバリズムがある。しかし、どのような神経活動の変化が運動障害を引き起こすかは明かではなかった。本研究は、ウイルスベクターと人工遺伝子を用いて、ヘミバリズム様の不随意運動を可逆的にかつ繰り返し誘導することに成功した。その不随意運動の最中に神経活動を計測することによって、大脳基底核が運動制御を行うメカニズムの新たな仮説を提唱するに至った。今後、障害によって異常になった神経活動を正常化することによる病気の治療へと発展させることが期待できる。
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