研究課題/領域番号 |
18K15345
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
征矢 晋吾 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (90791442)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | オレキシン / 恐怖 / 睡眠 / 過覚醒 / 恐怖記憶 / PTSD / 情動記憶 |
研究成果の概要 |
本研究によって、オレキシンがOX1Rを介して下流のドーパミンおよびセロトニンニューロンを制御することで恐怖記憶の固定および恐怖応答の表出に関与することが明らかになった。先行研究の結果を考慮すると、オレキシンは下流のモノアミンニューロンに発現するOX1Rを介して恐怖刺激による覚醒の増加および恐怖応答の調節を行っていると推察される。また、恐怖応答の減弱が観察されたOX1R欠損マウスにおいては、恐怖刺激による顕著な覚醒時間の増加は観察されなかった。したがって、恐怖刺激による過度な覚醒および恐怖応答は興奮性であるOX1Rを介したモノアミンニューロンの活動増加に起因する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PTSD患者においては睡眠障害が併発することが知られている。過度な覚醒や恐怖による睡眠障害において、覚醒の維持に関わるオレキシンとその下流の神経回路の役割が明らかになれば不眠を引き起こす神経基盤の解明に寄与できる。本研究では、モノアミンニューロンに発現するOX1Rが恐怖応答の調節に関与し、OX1Rの欠損による恐怖応答の減弱はその後の過覚醒時間を減少させることが明らかになった。このことから、オレキシンは覚醒および恐怖応答の強弱を調節し、オレキシンシステムの過剰な興奮が恐怖による睡眠障害の作用機序の一つであるとともに、OX1R選択的拮抗薬により過度な恐怖応答および覚醒を抑制できる可能性が示された。
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