研究課題
若手研究
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は緩徐進行性の神経筋疾患あり、根本的な治療法はない。我々はSBMAマウスモデルの脊髄と骨格筋を用いて網羅的シグナル解析を行い、発症前からSrcシグナルが活性化していることを見出した。本研究ではSBMA患者の脊髄と骨格筋においてもSrcシグナルが活性化していることを明らかにした。またSrc阻害薬がSBMAマウスモデルにおける病態の進行を抑止することを示し、Srcの下流分子であるp130Casが重要な役割を果たしていることを見出した。さらにSBMAにおいてSrcのリン酸化が上昇する機序として、アンドロゲン受容体とSrcの結合が重要であることを示した。
Src阻害薬はSBMAの新規治療薬として有望であると考えられた。Srcは様々な癌で活性化し癌の進行や転移に関連することが知られており、Src阻害薬の中には癌の治療薬として臨床応用されている薬剤もしくは治験中の薬剤が複数存在する。本研究は神経筋疾患と癌の共通項を見出し、Src阻害薬が神経難病や癌の治療薬となりうる新たな可能性を示唆した。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
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