研究課題/領域番号 |
18K15416
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 長崎大学 (2020-2022) 京都大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
佐藤 泉美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (20726971)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 抗精神病薬 / 緩和ケア / がん / 高齢者 / 心不全 / 緩和医療 / 医療情報データベース / 心疾患 / 精神疾患 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,全国レベルのリアルワールドでの医療情報データベースを利用し,がん患者の精神問題について、精神科系薬剤の処方に関連する因子が患者の予後に及ぼす影響の解明だけでなく,他の3大疾患である心疾患患者での精神科系薬剤の処方実態と,処方関連の予後への影響を比較して,がん患者での特徴を明確化することであり,我が国のがん関連や緩和医療の疫学研究や医薬品評価,安全性評価のためのデータベースの利活用を促進する一助とするものである。がん患者の緩和医療は一般的になってきているものの,心不全患者の緩和医療は最近進んできたところであり,がんとは病態や進行状況が異なることから緩和医療もがんとは異なる対応が必要である。研究代表者は,緩和医療でも汎用される精神科系薬剤の致死的な有害事象である悪性症候群の研究状況をシステマティックレビューで評価した。さらに,がんの緩和療法中の精神科系薬剤の状況を明らかにするために,大規模医療情報を使って,積極的ながん治療を終え緩和に移行した高齢者での実態の解析を進めている。ベンゾジアゼピン系薬剤の使用や若干減少傾向で,オピオイドの使用割合が年々上昇している傾向が見られた。また,心不全患者の緩和医療状況は,これまで,心不全患者を医療情報データベースから特定するために,心不全の病期を既存データの組合せから特定するいくつかの手法を試みたが難航したため,心機能が明らかに低下しているであろう患者を特定し,精神科系薬剤の使用実態の解明を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
・コロナ禍の影響が引き続き,研究協力者とミーティングや研究の情報収集などが円滑に進まなかった。 ・コロナ禍のため、データを管理している研究協力機関へ赴くことができず,解析が滞ってしまった。 ・解析を進めるにつれ医療情報データベースからの心不全患者の特定が予想以上に難易度が高く,研究の方向性の軌道修正の必要が出てきたため,その解決策を検討する必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
緩和医療を受けているがん患者の精神科系薬剤の使用実態については,解析結果の議論中に患者誤分類の可能性が出たため,再解析を実施する予定である。これまで使用したプログラムの再利用が可能なため,それほど時間は要さないと考えられる。早急にまとめ,論文投稿に進めるよう結果の議論と論文執筆を進める。心不全の方は,医療情報データベースからの心不全患者の誤分類が大きく,誤った結果を導く可能性があることがわかってきたため,心不全及び緩和の専門家と議論し,本研究を含めわが国の心不全を対象として医療情報データベースを利用した研究の問題点をまとめている予定である。延長した最終年度であるため,本年度の解析・議論・論文執筆のスケジュールを立て実施する方針である。
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