研究課題/領域番号 |
18K15421
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
八木 美佳子 九州大学, 医学研究院, 助教 (70536135)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ミトコンドリア / p32 / NAD / 老化 / NAD合成 / 心筋症 / HIF1α / GAPDH / mitochondria / HIF1 / lysosome / autophagy / knockout mouse / オートファジー / ノックアウトマウス |
研究成果の概要 |
我々が作成したミトコンドリア機能不全マウスの解析から心筋特異的p32ノックアウトマウスでは拡張型心筋症を早期に発症し約500日で死亡した。寿命が短くなった主原因は、リソソーム機能低下であると考えている。そのメカニズムとしては、ミトコンドリア機能低下によってNAD合成経路の1つであるサルベージ経路の酵素Nmnat3の発現が減少、その結果NAD合成量も減少、リソソーム膜近傍に局在する解糖系酵素GAPDHとPGKによるATP産生能が低下したため、ATPを必要とするリソソーム活性低下を引き起こしていた。さらにNmnat3は転写因子HIF1αによって発現を制御されていることも証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
老化に伴う多くの疾患はミトコンドリア機能、オートファジー機能, 血中NAD量低下が関与すると考えられているがその詳細な分子機構は明らかではない。今回我々はミトコンドリア機能障害マウスを用いて、心臓においてミトコンドリアを介したリソソーム機能制御の新機構を発見した。リソソーム活性にはNAD+を基質として解糖系酵素(GAPDH・PGK)によって産生されるATPが関与していると世界で初めて報告した。老化と共に減少するNAD+を補うことで老化と共に発症する疾患の予防・治療に繋がることがわかってきている。したがって新機構の解明によって治療戦略の可能性が広がることになるだろう。
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