研究課題
若手研究
抗IgLON5抗体関連疾患は,睡眠障害,球麻痺症状,運動異常症,認知機能障害などを呈し,病理学的にはタウオパチーをきたす自己免疫性神経疾患である.今回,cell based assayにより,進行性核上性麻痺74名,パーキンソン病60名,多系統萎縮症49名,大脳皮質基底核症候群(CBS)48名,前頭側頭型認知症15名,運動ニューロン疾患12名の血清中において,抗IgLON5抗体を検索した.その結果,臨床診断基準を満たしたCBS患者の血清中において抗IgLON5抗体を検出した.この患者では,免疫療法が有効であった.CBSの臨床像を呈する抗IgLON5抗体関連疾患が存在することを明らかにした.
本研究成果として,抗IgLON5抗体関連疾患の臨床スペクトラムは従来の報告よりも広いことが明らかとなり,現在,①睡眠障害型,②球麻痺症候群,③PSP様症候群,④認知機能障害型, ⑤末梢神経障害型,⑥小脳症候群,⑦CBS,⑧球麻痺型運動ニューロン病mimicsの8病型が存在すると考えられる.免疫療法が有効であることから,上記の臨床像を呈する患者では,抗IgLON5抗体の検索を念頭に置く必要がある.
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