研究課題
若手研究
パーキンソン病(PD)は中脳黒質ドーパミン神経脱落、不溶性凝集物蓄積を呈する神経変性疾患の一つである。CHCHD2はミトコンドリアで機能するPD原因遺伝子産物である。ミトコンドリア呼吸機能調節に関与するCHCHD2変異とα-synucleinの凝集化の関係を解析するため、CHCHD2欠損およびPD関連変異T61Iに着目して研究を実施した。患者脳、患者由来のiPS細胞とモデル動物ハエを用い、ミトコンドリア異常がα-synucleinの凝集化を導く確固たる証拠をつかんだ。 ミトコンドリア機能異常がα-synucleinの凝集化を導く分子機序を解明するための優れたモデル動物の作製につながった。
CHCHD2変異によりα-synucleinが顕著に凝集・蓄積することが、病理解析で明らかとなった。患者由来のiPS細胞とミトコンドリア変性を再現するモデルハエを作製し、ミトコンドリア異常がα-synucleinの凝集化を導く現象を再現できた。今後、ミトコンドリアの機能異常がいかにα-synucleinの凝集化を導くか、その分子機序を解明することにより、予防的、治療的対策が可能になると期待される。老人性神経変性疾患に関しては、不溶性タンパク質の蓄積を削減に未然に防ぐことが最も効果的かつ経済的な対処法と考えられ、本研究で解析したモデル動物はその開発に貢献する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
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