研究課題
若手研究
臨床研究では、家系調査により、Perry病(Perry症候群)の新たな2家系と新たな遺伝子変異について報告した。基礎研究では、G71A変異ノックインマウスを作製し、うつ様行動及びパーキンソニズムの再現、病理学的解析では、中脳黒質におけるTH染色性の低下を見出し、Perry病(Perry症候群)脳病理の一部再現に成功した。更に培養細胞やiPS細胞を用い、ダイナクチンがTDP-43に結合することダイナクチンのN末端領域、ダイナクチンドメイン、およびC末端領域がTDP-43と選択的に相互作用することを明らかにし、この相互作用の制御異常がTDP-43の誤局在化と凝集化を引き起こす可能性を見出した。
Perry病(Perry症候群)はパーキンソニズム、うつやアパシー、体重減少、中枢性呼吸障害の4徴候を有する常染色体優性(顕性)遺伝の神経変性疾患で、2009年にDCTN1遺伝子変異が発見された。また、病理学的には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などと同様にTDP-43プロテイノパチーに分類される。我々は、Perry病(Perry症候群)の国際診断基準を作成し、Perry症候群からPerry病への名称変更を提唱した。Perry病(Perry症候群)の研究は、パーキンソン病やALSなどの神経変性疾患の病態解明や治療薬開発だけでなく、うつ病や肥満などのコモンディジーズの研究にも寄与する。
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