研究実績の概要 |
データ収集を2019年2月から6月に実施し、tDCSのアルファ帯域電流密度、有害事象、気分変化、脳機能を評価した。同年6月以降、Focused Meditationをトレッドミル歩行と組み合わせたTW-FMの不安緩和効果を検証。マインドフルネス+tDCS実刺激群は偽刺激群と比較して1週間後の不安が減少し、前部帯状回の脳波活動との相関が認められた(Scientific Reports, 2021, Nishida et al., 2019)。2021-2022年には、tDCS刺激部位によるうつ病患者の認知機能切り替え効果を検証し、DMPFCを陽極とした際の反応時間短縮を報告(Psychiatry and Clinical Neurosciences, Koshikawa et al., 2022)。また、治療前脳波で抗うつ薬の反応を予測(Neuropsychobiology, 2022, Minami et al., 2022)、tDCSの将来的な活用方法に関する意見を発表(Front Psychiatry, 2022, Ikeda et al., 2022)。2023年は学会活動と今後の研究のプレリサーチを実施。研究成果を基に、うつ病・不安患者向けのマインドフルネストレーニングの効果をRCTで検証(Yamamoto et al., 2023)し、脳波技術を用いた新たな解析を導入。日本精神神経学会での報告(精神医学のフロンティア、大うつ病性障害における認知的柔軟性の分析と経頭蓋直流電流刺激(tDCS)の効果に関する検討)、日本臨床神経生理学会でのシンポジウム、研究グループの立ち上げと共同研究活動を行い、本邦での臨床利用に向けた試験の準備を進行中である。また、2023年に「神経機能向上装置」として特許取得した。
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