研究課題/領域番号 |
18K15499
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
西田 圭一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (40567567)
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研究期間 (年度) |
2021-11-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | tDCS / マインドフルネス / トレッドミル / TW-FM / うつ病 / 認知機能 / 経頭蓋直流電気刺激 / スイッチング タスク / 経頭蓋直流電気刺激(tDCS) / 脳波(EEG) / 不安・抑うつ / 集中 / 不安 / EEG |
研究開始時の研究の概要 |
「不安状態」は生物の生存に必須な原始的感情であり、かつ、先のことを予測する人間の能力という面からも、重要な状態像である。しかし過度な不安は判断能力に負の影響を及ぼしたり、うつ病や不安障害といった疾患の発生の原因になるなど、適切なコントロールが必要となる。本研究では、頭蓋上から微量な電流を流す、「経頭蓋直流電気刺激(tDCS)」と「今ここに集中する、マインドフルネス」を組み合わせて、不安の調節を行うモデルを脳波を用いて検証する。また、疾患の有無により効果出現が異なることが我々の研究で明らかにされたため、医療機関との連携モデルの準備を行う。
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研究実績の概要 |
2019年2月から6月にかけて、データ収集を行った。主要評価項目であるtDCSの刺激前後による前頭部のアルファ帯域の電流密度、試験実施中の有害事象の把握、tDCS施行前後で気分の変化、tDCS 施行前後の脳波による脳機能評価を行った。 2019年6月以降、収集したデータをもとに、focused meditationをトレッドミル上の歩行と組み合わせたものをTW-FMと呼び、その不安効果を検証した。結果、マインドフルネス+tDCS実刺激群は、マインドフルネス+tDCS偽刺激群と比較して一週間後の不安が減少した。マインドフルネス+tDCS実刺激群では、不安と関係がある前頭葉部位(前部帯状回)の脳波活動が変化した。そして一週間後の不安の減少率と前頭葉(前部帯状回)の脳波活動の変化率は相関を認めた。 これらの結果をまとめて、論文報告した(Scientific reports, 2021)。 2021-2022年は、本研究につながる前研究として行われていたうつ病患者を対象としたtDCS刺激部位による認知機能切り替え効果を検証した。結果、うつ病患者では課題切り替えの行動コストが増加したが、前向干渉の行動コストはうつ病患者と健常者で同程度であることがわかった。また、DMPFC を陽極にしたtDCS はDLPFC を陽極にしたtDCS と比較して、MDD 患者の反応時間を短縮させた。この結果に関しても論文発表した( Psychiatry and clinical neurosciences, 2022)。この経過を通して改良された脳波解析を経て治療前脳波(insula関連)で抗うつ薬の反応予測に関して報告した(Neuropsychobiology, 2022)。また、今後のtDCSとその活用方法に関してopinionとして発表を行った(Front Psychiatry, 2022)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
データ収集に関してリクルートが順調に進み、海外滞在中も順調に解析が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
本研究に合わせて、前データを組み合わせて、総合的な解析を行っている。そのプレデータをもとに、うつ病患者対象のTW-FMを行う。また、tDCSに関しての多施設研究の準備を行う。
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