研究課題/領域番号 |
18K15504
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 公益財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
伊東 若子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (10775828)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ADHD / ナルコレプシー / 脳波定量解析 / slow α / 過眠症 / θ/β比 / θ波 / stageN3 / MCH / ヒスタミン / REM睡眠 |
研究成果の概要 |
ADHDとナルコレプシー(NA)は合併が多く、また、臨床上も類似していることがある。脳波上もADHDでは、θ波波分、θ/β比の増大が報告されているが、NAにおいても類似した所見の報告がある。そこで、健常発達成人22人、過眠症40人、ADHD合併のある過眠症15人の脳波定量解析を行ったが、ADHDに特徴的な脳波所見は見出せなかった。次に、過眠症45人(NA19人、特発性過眠症36人)と健常コントロール22人と比較した結果、NA群では、遅いα帯域の成分が増加していた。これは、NAにおける眠気や覚醒度の低下を示唆しており、ADHDとナルコレプシーを区別し得る脳波上の指標になるかもしれない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADHDと睡眠障害は、両者が合併しやすいだけではなく、睡眠障害がADHD様の症状を引き起こすことや、ADHD症状が睡眠障害の症状を引き起こすことがあり、両者を区別することが難しいことは多い。特に過眠症(ナルコレプシー)との合併が多く、両者の合併であるのか、もしくは類似した症状を呈しているのかを見極めることは非常に困難である。今回、ナルコレプシーとADHDの脳波の定量解析を行い、ナルコレプシーではcentralにおける遅いα帯域の成分が増加しており、両者を区別しうる一つの指標となり得ることが示された。両者を見極めながら診療していく場面においては、非常に意義のある結果となった。
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