研究課題/領域番号 |
18K15518
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
越智 紳一郎 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (40568911)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 間歇型一酸化炭素中毒 / 成体海馬神経細胞新生 / ミクログリア / 神経栄養因子 / 認知機能 / アセチルコリン / 神経幹細胞 / 海馬神経細胞新生 / グリア細胞 / 神経前駆細胞 / アストロサイト / 細胞・組織 |
研究成果の概要 |
脳の海馬組織は成人でも神経細胞新生が起こることが報告されており、本研究では間歇型一酸化炭素(以下CO)中毒が、その成体海馬神経細胞新生に与える影響を検討した。 COを投与し、3週間後、認知機能が低下したラットの脳組織で、神経前駆細胞と考えられる細胞が有意に減少していること、また、海馬の各グリア細胞の数を確認し、ミクログリアなどが有意な減少していることを確認した。加えて、ラットの海馬組織を取り出し遺伝子発現を調べたところ、神経の栄養に関連した因子の遺伝子の発現の有意な減少も確認した。これらのことから、間歇型CO中毒の病態生理において、成体海馬神経細胞新生が関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一酸化炭素(以下CO)は無色、無味、無臭、非刺激性でありながら、極めて毒性の強い気体であり、我が国の薬毒物死の原因の中では最多となっている。なお、CO中毒による死亡者の大半が自殺によるものであるため、CO中毒は社会的にも重要な問題でもあり、有効な治療法の確立が望まれる。しかし、数週間後、突然認知機能低下などで発症する間歇型CO中毒は、その病態生理など依然不明である。 今回、間歇型CO中毒の認知機能低下の病態生理において、成体海馬神経細胞新生の関与および神経栄養因子に対する影響を示すことができた。今後これらの結果を元に間歇型CO中毒による認知機能低下の予防や治療法の開発に寄与する可能性がある。
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