研究課題/領域番号 |
18K15649
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 弘前大学 (2022) 金沢医科大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
奥田 光一 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (60639938)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | デジタルファントム / シミュレーション / 薬剤動態 / 核医学イメージング / モンテカルロ法 / 数値人体モデル / 心筋血流 / モンテカルロシミュレーション / 核医学 / 薬物動態 / 心臓核医学 / マルチモダリティ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は核医学,MRI,CT検査で共用することが可能な擬人化模型(ファントム)をコンピュータ上で仮想的に作成し,画像化するシミュレーション環境を構築することである。この仮想ファントム(デジタルファントム)は,コンピュータ内で自由に人体の形状や臓器の動きを模し,さらに心筋に集積する放射性医薬品と造影剤の薬物動態および心筋での分布を数学モデルで再現させることである。 デジタルファントムおよびシミュレーション環境を構築し,薬剤動態をデジタルファントムで再現を試みている。具体的には,核医学イメージングを行うためのモンテカルロシミュレーションコードSIMIND(SPECTイメージング用コード)を使用し,各臓器の時間に対する放射能濃度を設定することで心臓核医学イメージングのシミュレーションを実施している。現在は,心臓の放射能濃度を変化させ,シミュレーション条件の検証を行っている。また,本シミュレーション研究を発展させて,アイソトープ内用療法に向けた線量評価の基礎検討を開始している。一般的には,経時的な体内のアイソトープの分布を複数回イメージングすることで線量評価を行っているが,このイメージング回数の減少を目指した研究に発展させる予定である。 本年度の研究実績として,論文を1報報告した(シミュレーションと機械学習より実験値を推測する方法の検討)。国際学会のポスター発表を1回行い(上記論文の内容),国内学会では基礎講演(1回,シミュレーション研究)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度の目標は2021年度から継続された,1.心筋細胞/間質に流入する薬物の動態モデルの作成,2.デジタルファントムと正常症例データとの比較,3.心筋血流が低下したデジタルファントムモデルの試作,4.人工知能を活用したシミュレーションの実施であった。現在,心筋細胞/間質に流入する薬物の動態モデルの作成し,シミュレーションを実施している状況であり,臨床データとの比較は未実施であるため,全体の研究進捗状況はやや遅れている。その理由として,心臓および周辺臓器の放射能濃度の時間的変化の同定に苦慮した事がある。加えて,心臓および周辺臓器の放射能濃度の組み合わせが多いため,シミュレーション回数が予想より多くなったことも進捗が遅れた原因である。一方で人工知能を用いた心臓の血流解析・シミュレーションについては,新たな研究テーマの創出につながりつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の目標は,2022年度の目標を引き継ぎ,1.心筋細胞/間質に流入する薬物の動態モデルの作成,2.デジタルファントムと正常症例データとの比較,3.心筋血流が低下したデジタルファントムモデルの試作,4.人工知能を活用したシミュレーションの実施である。早急に動態モデルの構築を行った上で,実際の臨床症例との比較を実施する予定である。
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