研究課題
若手研究
在胎32週未満で出生した早産児は脳性麻痺や認知障害などの神経障害を高率に合併する。脳白質損傷がその主病態の一つとされ、幼若オリゴデンドロサイトが低酸素/虚血、炎症、酸化ストレスなどへ暴露され受傷することが主な要因とされる。近年、幹細胞治療の脳損傷に対する有用性が相次いで報告されている。本研究では、新生仔マウスを用いて未熟脳損傷モデルを作成し、それに対し臍帯血および胎児付属物から分離培養した各種幹細胞が、未熟脳の脳白質保護に働くかを検討する。
本研究では、将来的にKOマウスを用いたアプローチを可能とするため、マウスによる早産脳障害モデルの確立に努めた。P3マウス(脳成熟度がヒトの在胎23-26週に相当)を40-50%酸素に48時間暴露することにより、超早産児の高濃度酸素性脳障害を模したモデルを作成した。その後大気下でP12まで飼育し、免疫組織染色(Olig2/CC1/MAG/PDGFRa)により脳白質においてオリゴデンドロサイトの成熟遅延が誘導されることを証明した。次に、各種妊娠関連ホルモンの間葉系幹細胞の増殖に与える影響を、in vitroで調査した。高hCG濃度の条件でMSC増殖率が上昇する可能性が認められた。
本研究で得られた結果をもとに、更に各種因子の間葉系幹細胞の増殖ないし機能的に与える影響を調査し、間葉系幹細胞の未熟脳に対する脳保護効果を最適化できるか調査していく。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 12件、 招待講演 1件)
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