研究課題
若手研究
本研究では、薬剤によるミトコンドリアの機能の変化を調べるため、mitofilin過剰発現細胞を作成した。また、腎臓の近位尿細管にミトコンドリアを多く含まれ、ミトコンドリア病では尿細管障害などの腎疾患が合併する。よって、腎疾患の研究にも着目した。腎不全マウスを用いてSGLT阻害薬が腸内環境の変化をもたらし、血中の尿毒素濃度の減少作用を明らかにした。一方、糖尿病性腎症では腎臓の近位尿細管に脂肪滴の蓄積が起こることが報告され、近位尿細管由来細胞を用いて、細胞内の脂質蓄積とミトコンドリアの断片化を観察し、ATP産生の低下とともに過剰な活性酸素種が生じることにより、細胞死に至ると考えられる。
本研究では、腸内細菌叢の変化により腎障害の改善作用や、腎臓の近位尿細管細胞の脂肪滴の減少により、活性酸素種の消去およびミトコンドリア障害の改善作用を示した、将来的にはミトコンドリアのエネルギー代謝機構を解明することで、新たな治療戦略になり、あるいは新たなバイオマーカーを見つけることができると考え、ミトコンドリア病や腎疾患の患者の減少、医療費削減に貢献することができると考える。
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