研究課題
若手研究
肝硬度がFontan術後肝線維化を反映するかどうか解析した。肝硬変を示唆する肝硬度(11kPa以上)を示す患者のうち、22名(中央値14.7歳;9.9-32.1歳)に肝生検とカテーテル検査を実施した。結果、全ての患者に軽度から高度な線維化が類洞から門脈域に認められたが肝硬変はなく、肝硬度は組織学的肝線維化スコアと関連性がなかった(p=0.175)。肝硬度は中心静脈圧と関連せず(p=0.456)、門脈圧と関連する傾向が認められた(p=0.062)。Fontan術後の肝硬度は門脈圧の影響を受けるため線維化を反映せず、従来の肝硬度カットオフ値を用いて術後患者を評価すると肝硬変の過大評価につながる。
Fontan術後には従来の検査手法(超音波エラストグラフィや血液検査)では正確な評価が難しい特異な肝線維化の進展が高い比率でみられる。少なくとも術後10年以降は肝臓の合併症の有無について専門的な医療機関で定期的な診療を受けていただくことが望ましい。Fontan術後の肝線維化を的確に評価しうるバイオマーカーの開発が今後必要である。
すべて 2021 2020 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Hepatology Research
巻: - 号: 5 ページ: 593-602
10.1111/hepr.13627
120007036306
肝胆膵
巻: 82 ページ: 441-449
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2020/210307