研究課題
若手研究
C型肝炎ウイルス(HCV)に対する直接作用型抗ウイルス(DAA)療法において治療に抵抗する宿主因子の同定のため、DAA療法を受けた患者血清中マイクロRNA(miRNA)の変化を解析した。 HCVの消失に伴い、どちらの群においてもmiRNAの発現が変化し、特に両群において、miR-762が有意に変化した。miR-762は治療有効群において、HCV排除後に増加し、逆に治療抵抗例では、miR-762は減少した。HCVに感染した培養肝細胞にmiR-762を導入すると、HCV-RNAの複製が有意に減少しmiR-762がDAA療法によるHCV排除に関与する宿主因子の一つであると考えられた。
C型肝炎ウイルスは未だに肝硬変・肝細胞癌の主な原因である。直接作用型抗ウイルス療法によるC型肝炎治療は非常に有効であるが、直接作用型抗ウイルス剤の治療効果は100%ではなく、更に直接作用型抗ウイルス剤自体非常に高額な薬剤である。治療が不成功に終わる宿主要因を特定することにより、より治療成功率が上昇し、肝硬変や肝細胞癌を抑制するだけでなく医療経済面においても有益であると考えられる。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Gastroenterology and Hepatology
巻: 36 号: 4 ページ: 1126-1135
10.1111/jgh.15224