研究課題
若手研究
補体の活性化因子であるMASP-1とMASP-3の単独欠損マウスを作成したところ、それぞれ補体レクチン経路、そして補体第二経路特異的な活性化因子であった。脂肪肝疾患へ対する影響を解明するためにMASP-1欠損マウス、MASP-3欠損マウスを用いて脂肪肝モデルマウスの解析を行った。MASP-3欠損マウスでは脂肪沈着は軽減しており、血清中ALTや肝組織を用いたRT-PCRでCOL1A1はMASP-3欠損マウスで低値であった。MASP-1欠損マウスでは有意な変化は認めなかった。これらの結果からMASP-3欠損は脂肪肝疾患に対して保護的に作用していることが示唆された。
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)はメタボリックシンドロームの肝臓における病態であるが、有病率が高く、また肝不全へ進行するため、新たな治療方法が必要とされている。補体は生体の恒常性維持のために重要な自然免疫因子であり、MASP-1とMASP-3はそれぞれ異なる補体活性化経路の重要な活性化因子であることを明らかにした。また補体第二経路の活性化因子であるMASP-3の欠損がNAFLD病態に保護的に作用する結果が得られた。本研究は補体の特に第二経路を標的とした治療方法の創出に役立つものと考える。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
The Journal of Immunology
巻: 203 号: 6 ページ: 1411-1416
10.4049/jimmunol.1900605