研究課題/領域番号 |
18K15807
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
丹尾 幸樹 金沢大学, 附属病院, 助教 (80807397)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / がん幹細胞 / BMP9 / ID1 / BMP受容体阻害剤 / 癌幹細胞 / バイオマーカー / 血管新生 / CD105 |
研究成果の概要 |
本研究で我々は、肝細胞癌患者血清中のBMP9値が患者予後に関連する血清バイオマーカーである事を明らかにした。肝がん細胞株を用いた実験により、BMP9はその標的遺伝子であるID1とともに、Wnt/βカテニンシグナルの活性化を介して、EpCAM陽性肝がん幹細胞を活性化する事が明らかとなった。さらに、肝がん細胞株ならびに肝がん移植マウスモデルを用いBMP受容体阻害剤の有用性を検討した結果、BMP9-ID1シグナルを阻害する事で、BMP9による誘導されるEpCAM陽性肝がん幹細胞の活性化が抑制され、細胞増殖や浸潤・遊走といった肝がん悪性形質が有意に抑制される事が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再発や転移、薬物療法抵抗性の源と考えられているがん幹細胞は、進行肝細胞癌において重要な治療標的と考えられている。今回我々は、BMP9シグナル(細胞情報伝達)による肝がん幹細胞活性化のメカニズムを解明し、BMP9シグナルを阻害するBMP受容体阻害剤が肝細胞癌における有望な治療法となる可能性を示した。今後、高悪性度(腫瘍が大きくなる速度が速い、腫瘍マーカーが高値)や難治性(薬物療法が効きにくい)の進行肝細胞癌に対する臨床応用が期待される。本研究結果は、国内および海外の学術集会での報告と英文誌掲載により広く社会・国民に発信した。
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