研究課題
若手研究
PKR阻害剤 (oxindole/imidazole compound: C16)の腫瘍抑制効果とその機序を明らかにした。肝細胞癌細胞株Huh7の腫瘍増殖はPKR阻害剤添加により容量依存性に抑制された。ヌードマウスにHuh7細胞を皮下移植し、PKR阻害剤の連日腹腔内投与を行ったところ、腫瘍体積の増加が抑制された。PKR阻害剤投与後の腫瘍内では、PKR阻害剤投与により顕著に血管数が減少していた。血管新生抑制の機序として、PKR阻害剤添加により各種増殖因子の発現低下が見られた。以上の結果からPKR阻害剤は腫瘍微小環境にも影響を与え、増殖因子の発現抑制により血管新生を抑制する作用も有していた。
現在、肝細胞癌に対する治療は、手術、内科的な局所治療としてRFA、TACEなどが用いられている。しかし肝細胞癌患者の高齢化、その高い再発率から患者への負担の少ない薬物治療の開発が必要である。治療効果のエビデンスのある薬物もごく限られているのが現状である。本研究では細胞株とマウスを用いた検討を行い、PKR阻害剤により肝細胞癌の増殖、血管新生が抑制されることを示した。PKRをターゲットとした治療は肝細胞癌における新規治療となり得ると考えられた。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件)
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