研究課題
若手研究
目的①-[1] マウスDsg2によって維持される細胞接着性を検証する、[2] Dsg2多型D494A発現細胞では細胞間分布密度が減少している、[3] Dsg2安定発現細胞を用いた、細胞間接着密度と強度の定量評価。(目的①[1]~[3]の成果)Dsg2非発現細胞(非ヒト細胞)に異種強制発現させた場合、変異型デスモグレイン2(以下Dsg2)を介する細胞間接着の緊密性が乏しいことを示した。目的①-[3]について、デスモグレイン2蛋白の安定発現細胞株の取得に時間を要している。従来のトランスフェクション-選択抗生剤を用いる手法ではチャイニーズハムスター卵巣細胞での安定発現は得られなかったため、ウイルス感染を介した安定発現株取得を目指し、学内の遺伝子組み換え実験の申請手続きを行った(施設内認定に2ヶ月を要した)。目的②[4] Fc-Dsg2分子を用いたDsg2の細胞間接着機能スクリーニング。(目的②の成果)未着手である。目的③[5] Dsg2と相互作用しうる候補蛋白の同定と機能解析。(目的③[5]の成果)Dsg2と相補的に結合しうる未知の蛋白の検出は、マウス心筋サンプル内に存在すると想定し、大腸菌体内で作成したGST融合型Dsg2をbait(餌)にしてpull downし、TOF-MSを複数回行ったが、質量分析過程でノイズ値が高く、候補蛋白の絞り込みは出来なかった。十分量のマウス心筋サンプルを用いたにも関わらず、Dsg2と相補的に結合しうる未知の蛋白が検出されない原因として、①Dsg2が何ものとも協同していない、②協同しているが、結合の達成に糖鎖が関与しているために、大腸菌体内で作成したGST融合型Dsg2とは結合できない、可能性を考えた。②は、ヒト由来培養細胞を用いて分泌型蛋白を回収し、糖鎖を保存して蛋白を大量精製することで達成可能性がある。