研究課題/領域番号 |
18K15881
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 敏弘 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50802394)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 心不全 / 不整脈 / ドパミン受容体 |
研究成果の概要 |
研究者は、圧負荷モデルマウス及び心不全患者の心臓組織の遺伝子発現を複合的かつ網羅的に解析することで、いずれの病態においても発現が著増する遺伝子としてドパミン受容体D1を同定した。また、心筋特異的ドパミン受容体欠損及び強制発現マウスの機能解析を行い、心臓の同受容体は致死的不整脈の発症に寄与していることを明らかとした。また、その作用機序として心筋細胞内のリアノジン受容体のリン酸化が関与していることが示唆された。さらに、D1受容体は重症心不全患者群の中でも致死的不整脈の既往のある群において増加していたことから、同受容体がヒトにおいても心不全時の致死的不整脈の発症に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全の基礎研究領域ではこれまでモデル動物を用いた研究が積み重ねられてきたが、従来の研究ではモデル動物とヒトの種差及び心不全の病態の差異が臨床応用における課題となってきた。研究者はこの課題を乗り越えるため、心不全モデル動物及びヒト心不全の両者において発現が著増する心臓ドパミン受容体に着目し、心筋細胞特異的遺伝子改変マウスの解析により同受容体が心不全時の致死的不整脈の発症に寄与していることを明らかとした。また、心不全患者のサンプル及び病歴の解析により、同受容体はヒトにおいても致死的不整脈の発症に寄与していることが示唆された。本研究は心不全患者の突然死を抑制する新規治療法の開発に繋がると考える。
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