研究課題
若手研究
上葉優位型肺線維症(PPFE)は、肺活量の急速な減少を来たす予後不良な肺線維症であるが、有効な治療法は存在せず治療法の開発が求められている。本研究はminor alloantigenミスマッチ肺移植モデルとPPFE症例を用い、RNA-seqやタンパク発現解析を実施した。結果、両者は組織学的に類似するも、遺伝子やタンパクの発現に相違があり、PPFEの治療薬として抗線維化薬が有望であると考えた。得られた結果をもとに、α1-アドレナリン受容体拮抗薬の肺線維症での治療効果を検証し、論文にて発表した。本研究で得られた発現変動遺伝子や沈着タンパク質を標的とした新規治療法の開発を今後も進めていく。
上葉優位型肺線維症(PPFE)の原因として特発性のほか、過敏性肺臓炎、膠原病、粉塵吸入、抗癌剤投与や放射線照射、造血幹細胞移植など多岐に及ぶため、炎症に続発する線維化か、炎症を伴わない持続する肺傷害によって生じる線維化であるのか不明であった。本研究ではPPFEと類似した線維化を呈するminor alloantigenミスマッチ肺移植モデルが、PPFEの動物モデルとして妥当か検証した。結果として、両者は発現する遺伝子やタンパクに相違があり疾患モデルとしては妥当ではなかったが、解析結果からPPFEにおいて抗線維化薬が有望であると推察される結果を得た。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
J Cell Mol Med.
巻: 3 号: 5 ページ: 1-9
10.1111/jcmm.14255