研究課題
若手研究
我々はまずFgf10 Ex1mut/Ex3mut 複合ヘテロマウスを開発し、ホモ欠損と同様に肺及び四肢が欠損することを証明し、簡便かつ高効率なゲノムタイピングすることに成功した。このFgf10 Ex1mut/Ex3mut 複合ヘテロマウス胚盤胞にGFP陽性マウスES細胞をマイクロインジェクションし、本来では肺がないため出産後に生存できないFgf10Ex1mut/Ex3mutマウスがES細胞に補完され、成体まで異常なく発育・成熟した。キメラ産仔及び成体キメラマウスを解析したところ、肺の実質部分(肺胞上皮細胞)のみならず、間質部分においても大部分がGFP陽性ES細胞由来であることを確認した。
多くの重症肺疾患においては肺移植しか救命の道がない。しかし、絶対的なドナー不足と移植後の免疫拒絶が深刻な問題となる。多能性幹細胞を用いる肺臓器作成ができれば、上記問題の克服が可能となる。しかし肺は複雑な3次元構造を持ち、かつ多数の細胞種からなる複雑な臓器であり、in vitro での移植に耐えうる肺臓器の再構築は極めて難しいと考えられる。本研究の胚盤胞補完法を用いるin vivoでの肺再生技術を発展させ、異種間キメラや大型動物における肺臓器創出技術の確立への展開することにより、肺移植を目指すための肺臓器再生研究または肺疾患解明や新薬開発のためのモデル動物開発に大きく貢献するものと期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
Cell Reports
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https://www.niigata-u.ac.jp/news/2020/72503/