研究課題/領域番号 |
18K15932
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
黒崎 史朗 自治医科大学, 医学部, 講師 (60625705)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | AAVベクター / 肺線維症 / IL-10 / 肺線維症モデル / アデノ随伴ウイルスベクター / 遺伝子治療 |
研究成果の概要 |
難治性疾患である肺線維症に対し、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療の開発について研究を行った。治療遺伝子として、抗炎症性サイトカインであるIL-10遺伝子を用い、IL-10発現AAVベクターを作製した。組み換えAAVベクターをブレイマイシンで誘発した肺線維症モデルマウスに気管内投与を行って、肺線維症の発症を予防できることを確認した。IL-10による治療効果はブレオマイシン誘発肺線維症マウスの死亡率の抑制、病理組織での線維化の抑制、肺のコラーゲン生成の抑制、線維化促進性サイトカインのTGF-β1の生成が抑制されていることで確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性肺線維症は、発症機序として、持続する慢性炎症と、肺傷害に対する過修復が推定されており、臨床現場では抗線維化作用を持つ薬剤が使用されている。しかし、未だ根治には至っていない現状がある。本研究では、抗炎症性サイトカインであるIL-10に着目し、IL-10遺伝子をAAVベクターに組み込むことで、ブレオマイシン肺線維症モデルマウスに効率良く遺伝子を導入し、生存率の向上と抗線維化効果の両方を示すことができた。本研究によって、IL-10を発現した組み換えAAVベクターが肺に特異的かつ長期に導入でき、肺の線維化を予防する効果を示せたことから、肺線維症に対する新たな治療法になりうる可能性が示唆された。
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