研究課題/領域番号 |
18K15951
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山口 覚博 広島大学, 病院(医), 助教 (90812991)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 薬剤性肺障害 / 肺癌 / 細胞障害性抗がん剤 / HMGB1 / sRAGE / 間質性肺炎 / RAGE / 肺がん / 薬剤性肺傷害 |
研究成果の概要 |
間質性肺炎合併肺癌患者の重篤な合併症として細胞障害性抗がん剤による肺障害があるが、本研究はその最初の予測血液マーカーを調査した。間質性肺炎合併肺癌患者では、血清HMGB1値の上昇と細胞障害性抗がん剤による肺障害の発症率上昇との間に独立した関連性があった。さらに、探索的分析により、HMGB1によるシグナル伝達を抑制するデコイ受容体であるsRAGEのレベルが血中で高いほど、HMGB1値が高い患者における細胞障害性抗がん剤による肺障害の発生率が低下した。つまり、HMGB1が間質性肺炎合併肺癌患者における細胞障害性抗がん剤による肺障害の予測に有用であり、かつ病因を解明しうる分子標的となるかもしれない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺癌は癌の中で死亡者数が最多であり、加えて喫煙と強く関連する癌腫であるため、もともと肺に間質性肺炎などの器質的異常を伴う頻度が高い。間質性肺炎を合併する患者は全体の10-15%という報告があるが、そのような患者では各種薬剤による肺障害のリスクが高く、標準治療を行えないばかりか肺障害のリスクの高さから緩和的治療に終止する場合もある。本研究では、血液マーカーを用いて肺障害の予測精度を高め、またその分子生物学的な発症機序の一端を解明することで、間質性肺炎を合併した肺癌患者に対する治療の最適化および予防的な介入の確立に向けた研究の基盤となるデータをえることができたと考えている。
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