研究課題/領域番号 |
18K15990
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
伊藤 佐久耶 久留米大学, 医学部, 助教 (90748485)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 腹膜透析 / カルニチン欠乏 / カルニチン補充療法 / 残存腎機能 / 腹膜機能 / 酸化ストレス / ミトコンドリア機能障害 / 異所性脂肪沈着 / L-カルニチン / 慢性腎不全 / 脂質代謝 / 尿細管障害 / カルニチン / 腹膜機能障害 / AGEs |
研究成果の概要 |
カルニチン欠乏症と腹膜透析患者における腹膜機能障害との関係を明らかにすることを目的とした。当院における28人の腹膜透析患者を登録し、その後無作為にカルニチン投与群と非投与群に振り分けた。カルニチン投与群において、腹膜機能と皮膚AGEsの改善効果は認められなかったが、興味深いことにカルニチン投与群においては有意に残存腎機能が温存された。またΔ尿中L-FABPとΔ血清過酸化脂質が、カルニチン非投与群と比較して減少した。さらに、カルニチン投与群ではΔ尿量とΔ尿中L-FABPの間に有意な負の相関関係が観察された。カルニチン投与は、ミトコンドリア機能を改善することにより残存腎機能を温存した可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腹膜透析患者における残存腎機能は、腹膜透析継続期間や生命予後に影響する最も重要な因子である。しかしながら、現在残存腎機能を温存する薬剤はRAS阻害剤を除いて報告はない。本研究では、腹膜透析患者におけるカルニチン欠乏を改善することで、尿中L-FABPの低下や血清過酸化脂質の低下を伴っていた。カルニチン補充療法は、ミトコンドリア障害を改善することで、脂質代謝異常を介した酸化ストレスを改善し、残存腎機能を温存に繋がったと考えられる。本研究は腹膜透析患者における腹膜透析継続期間のみではなく、生命予後に影響する可能性がある重要な研究結果であると考える。
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