研究課題
若手研究
女性であることが原発性アルドステロン症(PA)手術後の高血圧予後改善に大きく寄与すること、閉経前女性のPA患者では臓器障害マーカーである尿中アルブミン量と血中エストロゲン値に負の相関があることを明らかにし、女性ホルモンがアルドステロンに関連する高血圧に保護的に作用することが示唆された。さらに、動物を用いた検討で、アルドステロンが作用する臓器(腎や腸管)でのエストロゲン関連遺伝子の発現評価を行った結果、エストロゲンの受容体発現およびその作用とアルドステロン作用の間に、何らかの関連性があることが示唆された。
二次性高血圧症の一つである原発性アルドステロン症(PA)は、本態性高血圧との比較において、心血管系合併症のリスクが高いことが報告され、片側性病変に対する手術治療は良好な予後が得られているが、手術対象ではない両側性病変に対する薬物治療は心血管合併症の発症を完全には抑えきれていないとの報告が相次いでいる。本研究はこれまで実証されていなかったアルドステロン過剰による高血圧性臓器障害発症に女性ホルモンが関与していることを新たに示唆しており、PAにおいて女性ホルモンを標的とした新規治療アプローチにつながる可能性が大きいことから学術的、社会的に有意義な研究であると考える。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)
Journal of the American Heart Association
巻: 7 号: 13
10.1161/jaha.117.008259
Molecular and Cellular Endocrinology
巻: in press ページ: 30017-30017
10.1016/j.mce.2018.01.007