研究課題/領域番号 |
18K16086
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水野 紘樹 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (90707655)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 生体イメージング / 白血病 / 腫瘍免疫 / 細胞傷害性T細胞 / 骨髄微小環境 / 急性白血病 / 抗白血病免疫反応 / 細胞運動 |
研究実績の概要 |
本研究では、生体2光子励起イメージング技術を応用し、実際に生体内を直接観察することにより、生体内の骨髄でどのように免疫系細胞と白血病細胞が相互作用を起こしているのか、抗白血病免疫を回避し易い場所はあるのか、白血病細胞の運動能と抗白血病免疫反応にはどのような関係があるのか、白血病細胞は免疫反応が起きた際に微小環境とどのようにコンタクトしているのかといった従来の方法では観察し得なかった現象を明らかにすることを目的とした。研究計画1年目は白血病に対する免疫反応を可視化するイメージング系の確立に注力した。具体的には、SCAT3.1プローブ(アポトーシス可視化プローブ)、Ovalbumin(OVA)を強制発現させた白血病細胞株を尾静脈より静注し急性白血病モデルマウスの作成に成功した。さらにOT-1/EGFPマウス(OVAを特異的に認識するTCRを発現するT細胞を有し且つEGFPを発現するトランスジェニックマウス)よりOVA特異的T細胞を得、このT細胞をin vitroで活性化させて、白血病モデルマウスに移植。白血病細胞特異的なCTLによる免疫反応を惹起し、その生体イメージングに成功した。それにより、白血病細胞がCTLによって細胞死を誘導されるまでに、さまざまなアポトーシス誘導方式が存在することが明らかとなった。さらに、この誘導の違いのメカニズムの候補分子を同定し、現在詳細を検討中である。さらに白血病細胞の運動を薬剤もしくは遺伝子発現制御によって変化させる系を確立することに成功し、解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、白血病細胞に対する免疫反応の生体イメージングに成功しており、このイメージング系を用いて免疫反応における新たなパターンを見出すことに成功した。さらに様々なアポトーシス誘導方式において、アポトーシス誘導効率が異なることを見出し、その原因となる候補の分子も検討している。また、白血病細胞の運動能と免疫反応に関連が見い出せ、こちらの検討も順次行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、白血病細胞がCTLによって細胞死を誘導する方式の違いを詳細に検討する。さらに、白血病細胞の運動能を細胞運動関連因子を変化させることにより、免疫反応にどのような違いが起こるのかを検討する。これらから得られたデータより、白血病細胞自体もしくは残存細胞周囲の骨髄間質細胞を単離し、網羅的に解析を行う。また、マウスに免疫反応を変化させる薬剤を投与し、投与後のT細胞・白血病細胞の動きの変化・白血病細胞の残存する場所・T細胞の到達しにくい部位などを同定する。さらに治療薬と抗白血病免疫の関係などを検証する。
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