研究課題
若手研究
芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)は、pDCに類似した表現形・遺伝子発現様式を持つ急性骨髄性白血病の一亜形である。従来の抗がん剤治療には抵抗性で生命予後は不良であり、その病態は未だ明らかでない。申請者は、BPDCNに特異的に認める染色体転座t(6;8)によって、強力ながん遺伝子であるc-MYCとpDC分化に重要なRUNX2のエンハンサー領域が相互転座していることを見出した。申請者が新たに同定した転座由来がん特異的スーパーエンハンサー活性化によるBPDCNの発症機構を解明した。
がん遺伝子MYCの活性化機構として、従来、MYC遺伝子増幅や染色体転座によるプロモーターの置換が知られていた。また、組織特異的なエンハンサーが異常に活性化する膵臓がん、大腸がんや急性リンパ性白血病の場合もある。本研究では、染色体相互転座によって、c-MYCエンハンサーがRUNX2を、RUNX2スーパーエンハンサーがc-MYC発現を異常に活性化する機構を明らかにした。こうした染色体転座によって交換・活性化されたがん特異的エンハンサーによるBPDCN発症機構の解明は、MYCの新規活性化機構だけに限らず、新たながん発症メカニズムの視点を与えた独創的な研究である。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)
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