研究課題
若手研究
本研究では、より広範ながんの治療に応用可能な分化誘導療法の開発に必要な基盤データの整備に資する、分化誘導薬により制御される転写ネットワークの網羅的な解明と、ヒストンアセチル基転移酵素の関与を明らかにすることを目的とした。本研究により、血液がんに対する分化誘導薬として実臨床で使用されているレチノイン酸誘導体(ATRA)によって、急性前骨髄球性白血病細胞が好中球に分化誘導される過程で変動する遺伝子群が明らかになった。さらにこれらの遺伝子の中でも広範な遺伝子の発現制御に関与するヒストンアセチル基転移酵素の、ATRAによる好中球分化における役割がより明らかになった。
本研究により明らかになった分化誘導性遺伝子の候補を検索することで、今後、広範な腫瘍に効果的な分化誘導薬の開発が期待される。これにより、副作用の強い化学療法剤に代わる分化誘導薬が、急性前骨髄球性白血病以外の腫瘍においても開発されれば、抗がん剤の選択肢が増えるだけでなく、がん患者のQOL向上に結びつくことなどから、本研究の成果は学術的にも社会的にも極めて意義深いと言える。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Internal Medicine
巻: 59 号: 16 ページ: 1947-1956
10.2169/internalmedicine.4375-19
130007887720
Annals of Hematology
巻: 99 号: 8 ページ: 1873-1882
10.1007/s00277-020-04090-7