急性骨髄性白血病におけるDUSP4の役割と治療応用

• 研究課題/領域番号: 18K16121
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
• 研究機関: 長崎大学
• 研究代表者: 安東 恒史 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (90571357)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2022-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2021年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円); 2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
• キーワード: AML / FLT3-ITD / DUSP4 / PRMT5 / 急性骨髄性白血病 / FLT3ーITD / リン酸化シグナル

研究成果の概要

FLT3-ITD 遺伝子変異を有する急性骨髄性白血病（AML）細胞株を用いた検討によって、PRMT5（タンパク質アルギニンメルルトランスフェラーゼ）阻害薬による増殖抑制効果を確認した。DUSP4は細胞増殖に重要であるリン酸化シグナルの一つであるERK1/2などを脱リン酸化する酵素として知られている。PRMT5阻害によりDUSP4の発現が増加することを確認した。
FLT3-ITD阻害剤とPRMT5阻害剤は、相乗的にFLT3-ITD陽性AML細胞の増殖抑制効果を認めた。これにより、FLT3-ITD陽性AMLに対するPRMT5阻害剤とFLT3阻害剤の併用療法が有効である可能性を示した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

FLT3-ITDを有するAMLは予後不良として知られている。FLT3阻害剤が開発されているが、その効果は限定的で新規分子標的薬の開発及び、FLT3阻害剤との併用療法の開発が必要である。
本研究でPRMT5阻害薬はFLT3-ITDシグンルの下流に位置するERK1/2のリン酸化を抑制することが知られているDUSP4の発現を促し、細胞増殖抑制効果を発揮することを明らかにした。また、FLT3-ITDを有するAML細胞株を用いた検討でFLT3阻害剤とPRMT5阻害剤の相乗効果を明らかにした。今後、FLT3-ITDを有するAML症例に対する新規併用療法として期待できる。

研究成果

• [雑誌論文] A 71-Year-Old Man With Dyspnea and Cough During Chemotherapy (2020)
  • 著者名/発表者名: Kazuko Yamamoto, Koji Ando, Moe Tanaka, Hirokazu Yura, Noriho Sakamoto, Yoshiaki Zaizen, Kazuto Ashizawa, Junya Fukuoka, Yasushi Miyazaki, Hiroshi Mukae
  • 雑誌名: CHEST 巻: 157 号: 5 ページ: e165-e171
  • DOI: 10.1016/j.chest.2019.12.008
  • NAID: 120006988201
  • 査読あり
• [雑誌論文] No clear survival benefit of azacitidine for lower‐risk myelodysplastic syndromes: A retrospective study of Nagasaki (2020)
  • 著者名/発表者名: Toriyama Eo、Hata Tomoko、Yokota Ken‐ichi、Chiwata Masahiko、Kamijo Rena、Hashimoto Miki、Taguchi Masataka、Horai Makiko、Matsuo Masatoshi、Matsuo Emi、Takasaki Yumi、Kawaguchi Yasuhisa、Itonaga Hidehiro、Sato Shinya、Ando Koji、Sawayama Yasushi、Taguchi Jun、Imaizumi Yoshitaka、Miyazaki Yasushi
  • 雑誌名: Cancer Science 巻: 111 号: 12 ページ: 4490-4499
  • DOI: 10.1111/cas.14653
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Treatment with mogamulizumab or lenalidomide for relapsed adult T-cell leukemia/lymphoma after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation: The Nagasaki transplant group experience (2020)
  • 著者名/発表者名: Sakamoto H, Itonaga H, Sawayama Y, Furumoto T, Fujioka M, Chiwata M, Toriyama E, Kasai S, Nakashima J, Horai M, Kato T, Sato S, Ando K, Taguchi J, Imaizumi Y, Yoshida S, Hata T, Moriuchi Y, Miyazaki Y.
  • 雑誌名: Hematol Oncol. 巻: 38 号: 2 ページ: 162-170
  • DOI: 10.1002/hon.2712
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 成人T細胞白血病・リンパ腫とEpstein-Barr virus陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のcomposite lymphoma (2020)
  • 著者名/発表者名: 坂本 光、澤山 靖、波多 智子、大島 孝一、宮﨑 泰司、今泉 芳孝、新野 大介、竹内 真衣、松井 昂介、蓬莱 真喜子、佐藤 信也、赤澤 祐子、安東 恒史
  • 雑誌名: 臨床血液 巻: 61 号: 4 ページ: 305-311
  • DOI: 10.11406/rinketsu.61.305
  • NAID: 130007839361
  • ISSN: 0485-1439, 1882-0824
  • 査読あり
• [雑誌論文] A case report of pulmonary amyloidosis recognized by detection of AA amyloid exclusively in alveolar macrophages (2020)
  • 著者名/発表者名: Laohawetwanit Thiyaphat、Tanaka Kei、Zaizen Yoshiaki、Tabata Kazuhiro、Ando Kouji、Ishimoto Hiroshi、Mukae Hiroshi、Miyazaki Yasushi、Bychkov Andrey、Fukuoka Junya
  • 雑誌名: Respiratory Medicine Case Reports 巻: 30 ページ: 101046-101046
  • DOI: 10.1016/j.rmcr.2020.101046
  • NAID: 120006988227
  • 査読あり
• [雑誌論文] Oligosecretory Primary Plasma Cell Leukemia with Atypical Morphological Abnormality (2019)
  • 著者名/発表者名: Toriyama E, Imaizumi Y, Tsuruda K, Itonaga H, Sato S, Ando K, Sawayama Y, Hasegawa H, Hata T, Niino D, Yanagihara K, Miyazaki Y
  • 雑誌名: Internal Medicine 巻: 58 号: 15 ページ: 2213-2217
  • DOI: 10.2169/internalmedicine.2472-18
  • NAID: 130007686846
  • ISSN: 0918-2918, 1349-7235
  • 年月日: 2019-08-01
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Gingival squamous cell carcinoma diagnosed on the occasion of osteonecrosis of the jaw in a patient with chronic GVHD (2019)
  • 著者名/発表者名: Tsukada S, Itonaga H, Taguchi J, Miyoshi T, Hayashida S, Sato S, Ando K, Sawayama Y, Imaizumi Y, Hata T, Umeda M, Niino D, Miyazaki Y.
  • 雑誌名: Rinsho Ketsueki 巻: 60 ページ: 22-27
  • NAID: 130007590822
  • 査読あり
• [雑誌論文] Metastatic Pulmonary Calcification in Multiple Myeloma and hypoparathyroidism (2019)
  • 著者名/発表者名: Koji Ando, Yoshitaka Imaizumi, Kazuko Yamamoto, Moe Tanaka, Zaizen Yoshiaki, Tomoko Hata, Hiroshi Mukae, Junya Fukuoka, Daisuke Inoue, Yasushi Miyazaki
  • 雑誌名: Rinsho Ketsueki 巻: 印刷中
  • 査読あり
• [雑誌論文] イマチニブ導入によりタクロリムスの血中濃度が上昇した自己免疫疾患の一例 (2019)
  • 著者名/発表者名: 橋詰淳哉、安東 恒史、松永 典子、神田 絋介、兒玉 幸修、室 高広、中村 忠博、宮﨑 泰司、佐々木 均
  • 雑誌名: 日本病院薬剤師会雑誌 巻: 印刷中
  • 査読あり
• [雑誌論文] Clinical factors to predict outcome following mogamulizumab in adult T-cell leukemia-lymphoma (2018)
  • 著者名/発表者名: Nakashima Jun、Imaizumi Yoshitaka、Taniguchi Hiroaki、Ando Koji、Iwanaga Masako、Itonaga Hidehiro、Sato Shinya、Sawayama Yasuhi、Hata Tomoko、Yoshida Shinichiro、Moriuchi Yukiyoshi、Miyazaki Yasushi
  • 雑誌名: International Journal of Hematology 巻: 108 号: 5 ページ: 516-523
  • DOI: 10.1007/s12185-018-2509-0
  • 査読あり
• [雑誌論文] EPOCH regimen as salvage therapy for adult T-cell leukemia?lymphoma (2018)
  • 著者名/発表者名: Toriyama Eo、Imaizumi Yoshitaka、Taniguchi Hiroaki、Taguchi Jun、Nakashima Jun、Itonaga Hidehiro、Sato Shinya、Ando Koji、Sawayama Yasushi、Hata Tomoko、Fukushima Takuya、Miyazaki Yasushi
  • 雑誌名: International Journal of Hematology 巻: 108 号: 2 ページ: 167-175
  • DOI: 10.1007/s12185-018-2455-x
  • 査読あり
• [雑誌論文] Complete remission of pure white cell aplasia associated with thymoma after thymectomy and cyclosporine administration (2018)
  • 著者名/発表者名: Kobayashi Yuji、Ando Koji、Hata Tomoko、Imaizumi Yoshitaka、Nagai Kazuhiro、Kamijyo Rena、Katoh Takeharu、Taguchi Jun、Itonaga Hidehiro、Sato Shinya、Sawayama Yasushi、Miyazaki Yasushi
  • 雑誌名: International Journal of Hematology 巻: 109 号: 3 ページ: 346-350
  • DOI: 10.1007/s12185-018-02573-y
  • 査読あり
• [雑誌論文] 長崎原爆被爆者における骨髄異形成症候群の染色体解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 9.蓬莱真喜子、佐藤信也、松尾真稔、岩永正子、田口正剛、糸永英弘、安東恒史、澤山 靖、今泉芳孝、波多智子、吉浦孝一郎、宮﨑泰司
  • 雑誌名: 長崎医学会雑誌 巻: 93 ページ: 351-354
• [学会発表] Combination therapy of PRMT5 inhibitor and PHD2 inhibitor (IOX4) for adult T-cell leukemia/lymphoma (2021)
  • 著者名/発表者名: 北之園 英明 、安東 恒史、今泉 芳孝、小林 裕児、三嶋 博之、木下 晃、田口 正剛、坂本 光、加藤 丈晴、佐藤 信也、澤山 靖、波多 智子、長谷川 寛雄、吉浦 孝一郎、柳原 克紀、宮崎 泰司
  • 学会等名: 第83回日本血液学会学術集会
• [学会発表] RUNX1 as a therapeutic target for adult T-cell leukemia/lymphoma (2021)
  • 著者名/発表者名: 小林 裕児、安東 恒史、今泉 芳孝、北之園 英明、三嶋 博之、木下 晃、田口 正剛、坂本 光、加藤 丈晴、佐藤 信也、澤山 靖、波多 智子、長谷川 寛雄、吉浦 孝一郎、柳原 克紀、宮崎 泰司
  • 学会等名: 第83回日本血液学会学術集会
• [学会発表] FLT3-ITD変異陽性AMLのサイトカインシグナル調整におけるPRMT5の役割 (2019)
  • 著者名/発表者名: 安東恒史,Pierre Harmard, Fan Liu, Na Man, Concepcion Martinez, 宮崎 泰司, Stephen Nimer
  • 学会等名: 第81回日本血液学会学術集会
• [学会発表] 慢性GVHDの経過中に起きた歯肉部の腫瘍と顎骨壊死を契機に診断した歯肉扁平上皮癌. (2019)
  • 著者名/発表者名: 塚田幸絵、糸永英弘、田口 潤、三好太郎、橋本美紀、坂本 光、北之園英明、田口正剛、蓬莱真喜子、林田 咲、佐藤信也、安東恒史、澤山 靖、今泉芳孝、波多智子、梅田正博、新野大介、宮﨑泰司
  • 学会等名: 第40回日本造血細胞移植学会総会
• [学会発表] 大量AraCとMTXを含む寛解後療法で分子遺伝子的寛解を得たドナー細胞由来のMLL-AF4陽性ALL． (2019)
  • 著者名/発表者名: 坂本 光, 糸永英弘、田口 潤、澤山 靖、塚田幸絵、北之園英明、田口正剛、佐藤信也、安東恒史、今泉芳孝、波多智子、宮﨑泰司
  • 学会等名: 第40回日本造血細胞移植学会総会
• [学会発表] 生体肝移植後の長期経過中に発症した中枢神経原発移植後リンパ増殖性疾患 (2019)
  • 著者名/発表者名: 新山侑生、塚田幸絵、糸永英弘、藤岡真知子、佐々木 龍、佐藤信也、安東恒史、曽山明彦、三馬 聡、澤山 靖、日高匡章、高槻光寿、今泉芳孝、波多智子、江口 晋、中尾一彦、新野大介、大島孝一、宮﨑泰司
  • 学会等名: 第8回日本血液学会九州地方会
• [学会発表] 肝障害で発症したAggressive NK-cell leukemia. (2018)
  • 著者名/発表者名: 北之園英明、安東恒史、今泉芳孝、新野大介、松尾真稔、糸永英弘、佐藤信也、澤山 靖、波多智子、宮﨑泰司
  • 学会等名: 第321回日本内科学会九州地方会
• [学会発表] 長崎原爆被爆者における骨髄異形成症候群の染色体解析. (2018)
  • 著者名/発表者名: 蓬莱真喜子、佐藤信也、松尾真稔、岩永正子、田口正剛、糸永英弘、安東恒史、澤山 靖、今泉芳孝、波多智子、吉浦孝一郎、宮﨑泰司
  • 学会等名: 第５９回原子爆弾後障害研究会
• [学会発表] イマチニブ開始後にタクロリムスの血中濃度が上昇した慢性骨髄性白血病の一例. (2018)
  • 著者名/発表者名: 橋詰淳哉、安東恒史、松永典子、室 高広、宮﨑泰司、佐々木 均
  • 学会等名: 医療薬学フォーラム2018
• [学会発表] 免疫抑制剤中止とレナリドミド単回投与により寛解を維持している移植後再発ATL． (2018)
  • 著者名/発表者名: 古本嵩文、澤山 靖、千綿雅彦、塚田幸絵、橋本美紀、坂本 光、田口正剛、蓬莱真喜子、糸永英弘、佐藤信也、安東恒史、今泉芳孝、田口 潤、波多智子、宮﨑泰司
  • 学会等名: 第5回日本HTLV-1学会学術集会
• [学会発表] 骨病変として再発した2例のTCF3-PBX1陽性成人急性リンパ性白血病 (2018)
  • 著者名/発表者名: 橋本 美紀, 糸永 英弘, 新山 侑生, 藤岡 真知子, 坂本 光, 塚田 幸絵, 北之園 英明, 小林 裕児, 蓬莱 真喜子, 田口 正剛, 佐藤 信也, 安東 恒史, 澤山 靖, 今泉 芳孝, 田口 潤, 城 達郎, 波多 智子, 宮崎 泰司
  • 学会等名: 第80回日本血液学会学術集会
• [学会発表] ATLに対する同種造血幹細胞移植後に臨床徴候の改善傾向を認めたHAM-TSP (2018)
  • 著者名/発表者名: 坂本 光, 糸永 英弘, 千綿 雅彦, 橋本 美紀, 藤岡 真知子, 北之園 英明, 北之園 寛子, 中島 潤, 田口 正剛, 蓬莱 真喜子, 宮崎 禎一郎, 佐藤 信也, 安東 恒史, 澤山 靖, 白石 裕一, 今泉 芳孝, 吉田 真一郎, 波多 智子, 山野 嘉久, 宮崎 泰司
  • 学会等名: 第80回日本血液学会学術集会
• [学会発表] 骨髄異形成症候群に対するアザシチジンの実臨床における有用性の検討 長崎県多施設共同研究 (2018)
  • 著者名/発表者名: 鳥山 愛生, 波多 智子, 千綿 雅彦, 上条 玲奈, 田口 正剛, 松尾 真稔, 小川 大輔, 松尾 江美, 堀尾 謙介, 高崎 由美, 藤本 健志, 川口 康久, 田口 潤, 城 達郎, 對馬 秀樹, 吉田 真一郎, 森内 幸美, 糸永 英弘, 佐藤 信也, 安東 恒史, 澤山 靖, 今泉 芳孝, 宮崎 泰司
  • 学会等名: 第80回日本血液学会学術集会
• [学会発表] ニロチニブが有効であった維持血液透析施行中の慢性骨髄性白血病 (2018)
  • 著者名/発表者名: 池内 梓, 蓬莱 真喜子, 糸永 英弘, 塚田 幸絵, 坂本 光, 北之園 英明, 田口 正剛, 佐藤 信也, 安東 恒史, 澤山 靖, 今泉 芳孝, 波多 智子, 森内 幸美, 宮崎 泰司
  • 学会等名: 第80回日本血液学会学術集会
• [学会発表] 実臨床におけるCMMLの臨床的特徴と予後について 長崎県下における後方視的解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 藤岡 真知子, 糸永 英弘, 波多 智子, 安東 恒史, 澤山 靖, 松尾 江美, 高崎 由美, 田口 潤, 今西 大介, 今泉 芳孝, 對馬 秀樹, 吉田 真一郎, 城 達郎, 森内 幸美, 宮崎 泰司
  • 学会等名: 第80回日本血液学会学術集会