研究課題
若手研究
本研究では,Trim39ノックアウトマウスを作成し,TRIM39の免疫学的役割を解析した.その結果,Trim39-/-マウスでは野生型マウスに比べ胸腺と脾臓の重量が有意に大きく,脾臓の細胞数が有意に多かった.Trim39-/-マウスのB細胞ではSTAT1の発現量が野生型と比較して有意に亢進していた他,Trim39-/-マウスにおいて血中IL-27の濃度が有意に高く,血中のIgG1やIgAの濃度は有意に低かった. また,IgAについては糞便中のIgA量がTrim39-/-マウスにおいて有意に低かった. Trim39-/-マウスではDSS誘発腸炎が重症化した.
TRIMファミリーは自然免疫と獲得免疫の両方において様々な役割を担っていることを示す様々な基礎的な報告がみられるが,SLEを含め膠原病疾患において病態への関与を示した報告はまだ少ない.本研究ではTRIM39の免疫学的な機能が明らかになった.SLEの病因が不明であることから根本的な治療はまだなく,ステロイドや免疫抑制薬による治療に依存している.今回の研究結果はTRIM39とその関連分子を標的とした全身性自己免疫疾患の新規治療薬の開発につながる可能性がある.
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Lupus
巻: 30 号: 13 ページ: 2054-2065
10.1177/09612033211042293
Modern Rheumatology
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