研究課題
若手研究
膵臓内迷走神経の解剖を詳細に検討するため、臓器透明化技術を膵臓に応用した。その結果、膵臓内の副交感神経節の多くが膵島に近接して存在することが明らかになった。また、高齢マウスに対して高脂肪食負荷を行い肝臓ERK経路を活性化したところ、迷走神経シグナル依存的に膵β細胞増殖が促進され、迷走神経シグナルは増殖能が低下しているとされる高齢動物の膵β細胞をも増殖させる可能性が示された。今後ヒト膵島を用いての検討も進める。さらに肝臓においても迷走神経シグナルにより肝臓切除後の肝細胞増殖が促進されることを明らかにし、その分子メカニズムを解明した。
本研究では、研究代表者が所属するグループが見出した神経シグナルを介した細胞増殖誘導機構と、それによる生体の恒常性維持機構の詳細について、膵β細胞と肝臓を用いて明らかにした。神経シグナルによる細胞増殖機構を臨床に応用することで、高齢者に多い膵β細胞が減少することで発症する糖尿病や、肝臓切除後の肝不全などに対する有望な予防、治療法の開発につながることが期待される。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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