研究課題/領域番号 |
18K16224
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高山 浩昭 金沢大学, 医学系, 技術職員 (90725227)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セレノプロテインP / 適応熱産生 / 還元ストレス / 褐色脂肪細胞 / ノルアドレナリン / 活性酸素 / 褐色脂肪組織 / 活性酸素種 |
研究成果の概要 |
セレノプロテインPが褐色脂肪組織での適応熱産生に与える影響を検討し、以下のことを明らかにした。 (1) セレノプロテインPが欠損したマウスは寒冷下での体温の上昇と活性型UCP1の増大を呈した。(2) セレノプロテインPを欠損した褐色脂肪細胞ではノルアドレナリン応答性の熱産生が亢進した一方、褐色脂肪細胞へのセレノプロテインP投与では熱産生が障害された。(3) 褐色脂肪細胞へのノルアドレナリン投与は熱産生を刺激する生理的な活性酸素産生を誘導した。セレノプロテインPはこの有用な活性酸素を消去した。 本研究はセレノプロテインPが過剰な抗酸化能によって還元ストレスを惹起し熱産生を障害することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エネルギー代謝の亢進を介した肥満症治療を目的として、多くの研究者によって褐色脂肪組織の分化・活性制御機構の解明が試みられている。一方で2型糖尿病患者や高齢者においてはその熱産生活性が低下していることが知られており、またそのメカニズムは未だ明らかではない。本研究では、抗酸化タンパクとして知られていたセレノプロテインPが熱産生を刺激する生理的な活性酸素を消去することで熱産生障害を障害することを明らかにした。2型糖尿病や加齢に伴って産生が亢進するセレノプロテインPは、これらの病態と褐色脂肪活性抑制を結びつける分子となる可能性があり、持続的で効果的な慢性代謝疾患改善薬の治療標的となり得る。
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