研究課題
若手研究
大腸癌は血管新生が非常に盛んであり、血管新生阻害剤が薬物治療として有効である。一方で、VEGF阻害剤は薬剤耐性や副作用といった問題点を有しており、VEGF以外を標的とした新しい血管新生阻害剤の開発が重要である。本研究において我々は、血管新生の新しい制御因子として細胞内膜輸送関連分子であるSNX9を同定し、SNX9による血管新生制御機構の解明に成功した。また、大腸癌患者由来の病理組織において、腫瘍血管内皮でSNX9が高発現している事実を突き止めた。更に、SNX9を標的とする血管新生阻害剤探索のスクリーニング系をコムギ無細胞タンパク質合成系とアルファスクリーンを組み合わせて構築する事に成功した。
本研究は、SNX9の血管新生における機能を細胞生物学及び、臨床組織学の観点から解明した点で学術的意義は高い。また、SNX9の機能を人為的に阻害する血管新生阻害剤のシーズ探索のためのスクリーニング系を構築した点で、創薬応用への展開が期待できる。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
J Cell Physiol.
巻: in press 号: 10 ページ: 17280-17294
10.1002/jcp.28346