研究課題/領域番号 |
18K16367
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永吉 絹子 九州大学, 大学病院, 助教 (90761015)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 大腸癌 / oxaliplatin / 白金製剤 / 治療抵抗性 / 治療効果予測 / 蛍光X線分析 / SPring-8 / 腫瘍内分布 / Spring-8 / 抗癌剤耐性 / oxaliplatin (L-OHP) / 間質 |
研究成果の概要 |
本研究では蛍光X線分析という工学的アプローチを用いて、oxaliplatinを投与した大腸癌の腫瘍組織中の白金や生体内必須元素の局所かつ微量な分布を可視化することで、抗癌剤の腫瘍内動態や細胞活性の変化を明らかにすることを目的としている。 oxaliplatinを含む術前治療を受けた進行大腸癌30例の切除組織標本に対して蛍光X線分析を行い、腫瘍上皮と間質での白金の集積を評価した。腫瘍上皮では腫瘍の治療効果に伴う変性部位に白金の集積が多く、逆に腫瘍間質では治療効果の乏しい症例ほど集積が多かった。化学療法中に腫瘍組織中の白金分布を測定することで治療効果あるいは抗癌剤耐性を予測できると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現時点ではoxaliplatinを用いた化学療法に対する治療反応性を予測する確実な手段は明らかでなく、有効性と安全性の高い化学療法を実現するためにも、最適な治療選択のための抗癌剤感受性予測マーカーの開発が必要である。 本研究では蛍光X線分析によって腫瘍組織中の薬物動態や細胞活性の変化を明らかにすることで、oxaliplatinを用いた化学療法に対する個々の治療反応性を予測する手段の確立と耐性獲得の機序の解明につなげ、治療効果の異なる組織中の薬物動態を工学的手法で得られた白金のスペクトルから明らかにすることで、これまで間接的にしか議論されていない治療反応性に科学的根拠をもたせることが可能になった。
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