研究課題
若手研究
重症下肢虚血における末梢動脈バイパス手術では、自家血管をグラフトとして用いるが、グラフト不全などの問題も多い。より良質なグラフトの開発のため、毛細血管周囲幹細胞(Capillary Stem Cell;CapSC)を用いたバイオグラフトの構築・末梢動脈疾患に対する血管再生治療の検討を行った。CapSCsをEphA7陽性周細胞として分離し、マウス下肢虚血モデルに導入した。その結果、虚血改善を認め、CapSCsによる毛細血管様構造が確認され、血管新生に寄与していた。CapSCsは血管再生治療における有用なツールとして期待でき、その血管新生能は今後のバイオグラフトの構築に有用であると考えられる。
昨今の高齢化社会における、生活習慣病や動脈硬化性疾患に対するアプローチについては、医療界全体で取り組まねばならない事案である。それらの疾患に起因する虚血性疾患の課題の1つである、虚血肢のバイパス手術におけるグラフトの改善や、虚血肢改善のための細胞治療に繋がる基礎研究が本研究である。本研究によって、毛細血管周囲幹細胞(CapSCs)は、血管再生治療における有用なツールであることが確認され、この細胞自体の血管新生能や虚血改善能が確認できた。これによって、虚血組織の血流改善や、CapSCsを用いた小口径グラフトの開発にも有用なツールと期待できる。
すべて 2020 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)
Stem Cell Research
巻: 47 ページ: 101914-101914
10.1016/j.scr.2020.101914
Stem Cells Transl Med
巻: 9 号: 1 ページ: 120-130
10.1002/sctm.19-0148
Journal of Vascular Surgery
巻: 71 号: 1 ページ: 229-241
10.1016/j.jvs.2019.02.042
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 519 号: 3 ページ: 462-468
10.1016/j.bbrc.2019.09.007