ヒト脳脊髄液プロテオームによる全身麻酔後認知機能障害に対する創薬標的の網羅的探索

• 研究課題/領域番号: 18K16468
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分55050:麻酔科学関連
• 研究機関: 三重大学
• 研究代表者: 中森 裕毅 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80815994)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
• キーワード: POCD / 全身麻酔後認知機能障害 / 術後認知機能障害 / プロテオミクス / プロテオーム / 脳脊髄液 / SWATH / DIA / 日本語場CERAD-NAB / iTRAQ

研究成果の概要

ヒト脳脊髄液という貴重な臨床検体の経時的なプロテオーム変化の解析を行った。血液と比較してタンパク濃度の薄い脳脊髄液で質量分析を行うにあたり、Amicon Ultra(Merck社)にて限外濾過した後、Pierce Albumin/IgG Removal Kits(Thermo Fisher Scientific社)にてabundantなタンパク質を除去するという前処理方法を確立し、脳脊髄液でもプロテオーム解析が可能であることを示した。さらに、二次元電気泳動、iTRAQという多角的なプロテオーム解析でタンパクの経時的な増減を探索した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

術後認知機能障害(POCD: Postoperative Cognitive Dysfunction)は、高齢者に多くみられる脳障害の1つである。POCD発症患者は、術後入院期間が長く、長期生存率も低いことが知られているが、どのようなメカニズムで長期にわたり障害を及ぼすのか不明である。このような重要な問いに対し、ヒト脳脊髄液(CSF)という貴重な臨床サンプルの経時的なプロテオミクスからのアプローチで病態の主因となりうるタンパクを探索した。また、血液と比較して経験が乏しくタンパク濃度がはるかに薄いCSFでもプロテオーム解析を実現すべく、前処理方法を模索し確立した。

研究成果

• [雑誌論文] Early versus late tracheostomy in patients with traumatic brain injury. (2020)
  • 著者名/発表者名: Taiki Hoshino, Hiroshi Yonekura, Yuki Nakamori, Masataka Kamei
  • 雑誌名: Intensive Care Med. 巻: - 号: 6 ページ: 1286-1287
  • DOI: 10.1007/s00134-020-05998-4
  • 査読あり
• [雑誌論文] Longer term hemodialysis-dependent chronic renal failure increases the risk of post-cardiac surgery vasoplegic syndrome. (2020)
  • 著者名/発表者名: Suga M, Kawakami D, Ueta H, Shimozono T, Ito J, Seo R, Nakamori Y, Korenaga A, Morimoto T, Mima H.
  • 雑誌名: J Anesth 巻: 34 号: 2 ページ: 243-249
  • DOI: 10.1007/s00540-019-02727-0
  • NAID: 40022213592
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] The use of sodium bicarbonate for metabolic acidosis in patients with acute kidney injury (2020)
  • 著者名/発表者名: Hiroshi Yonekura, Yohei Kawasaki, Yuki Nakamori, Masataka Kamei
  • 雑誌名: Crit Care Med 巻: 48 号: 3 ページ: e251-e252
  • DOI: 10.1097/ccm.0000000000004111
  • 査読あり
• [雑誌論文] Transient Neurological Events After Surgery for Pediatric Moyamoya Disease (2019)
  • 著者名/発表者名: Matsuura Hideki、Yoshitani Kenji、Nakamori Yuki、Tsukinaga Akito、Takahashi Jun C.、Nakai Michikazu、Ohnishi Yoshihiko
  • 雑誌名: Journal of Neurosurgical Anesthesiology 巻: 印刷中 号: 2 ページ: 1-1
  • DOI: 10.1097/ana.0000000000000593
  • 査読あり
• [雑誌論文] Use of preoperative haemostasis and ABO blood typing tests in children: A retrospective observational study using a nationwide claims database in Japan. (2019)
  • 著者名/発表者名: Yonekura H, Ide K, Kanazawa Y, Takeda C, Nakamori Y, Matsunari Y, Sakai M, Kawakami K, Kamei M.
  • 雑誌名: BMJ Open. 巻: 9 号: 11 ページ: e032306-e032306
  • DOI: 10.1136/bmjopen-2019-032306
  • NAID: 120006840175
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 本邦での術前呼吸機能検査の現状 (2018)
  • 著者名/発表者名: 米倉寛, 中森裕毅, 亀井政孝
  • 雑誌名: 臨床麻酔 巻: 42 ページ: 1369-1374
  • 査読あり
• [学会発表] 成人Fontan循環患者の集中治療管理：各種臓器の遠隔期合併症と向き合う。Fontan循環成立に挑む (2020)
  • 著者名/発表者名: 中森 裕毅
  • 学会等名: 第47回日本集中治療医学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 敗血症性ショックにおけるステロイド投与のタイミングとは？ (2020)
  • 著者名/発表者名: 垣花 泰之, 松嶋 麻子, 櫻谷 正明, 廣瀬 智也, 高橋 弘, 田上 隆, 松山 匡, 大下 慎一郎, 下山 哲, 岡本 潤, 山田 浩平, 舩越 拓, 青木 誠, 村田 哲平, 西山 慶, 中森 裕毅, 宮崎 裕也, 内藤 宏道, 安部 隆国, 入野田 崇, 岡 和幸, 角山 泰一朗, 原口 剛, 石川 雅巳, 石丸 剛, 吉廣 尚大, 古川 彩香, 江木 盛時, 小倉 裕司, 西田 修, 田中 裕
  • 学会等名: 第47回日本集中治療医学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 初期蘇生・循環作動薬班のエビデンス解説 (2020)
  • 著者名/発表者名: 櫻谷 正明, 廣瀬 智也, 垣花 泰之, 松嶋 麻子, 高橋 弘, 田上 隆, 松山 匡, 大下 慎一郎, 下山 哲, 岡本 潤, 山田 浩平, 舩越 拓, 青木 誠, 村田 哲平, 西山 慶, 中森 裕毅, 宮崎 裕也, 内藤 宏道, 安部 隆国, 入野田 崇, 岡 和幸, 角山 泰一朗, 原口 剛, 石川 雅巳, 石丸 剛, 吉廣 尚大, 古川 彩香, 江木 盛時, 小倉 裕司, 西田 修, 田中 裕
  • 学会等名: 第47回日本集中治療医学会学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 重症大動脈弁狭窄症による失神で受傷した大腿骨頚部骨折に対し，診療科横断的に治療方針を協議した一例 (2020)
  • 著者名/発表者名: 松村 佳織, 中森 裕毅, 星野 太希, 伊藤 芳彰, 亀井 政孝
  • 学会等名: 第47回日本集中治療医学会学術集会
• [学会発表] MAO-B阻害薬を含む抗パーキンソン病薬を多剤内服している患者の緊急胸腔内掻爬手術の一例 (2020)
  • 著者名/発表者名: 星野 太希, 中森 裕毅, 坂倉 庸介, 亀井 政孝
  • 学会等名: 第47回日本集中治療医学会学術集会
• [学会発表] 急性心筋梗塞（LMT梗塞）での心原性ショックをVA-ECMO・ IMPELLA併用で救命した一例 (2020)
  • 著者名/発表者名: 山本 勇樹, 中森 裕毅, 森脇 啓至, 栗田 泰郎, 伊藤 正明, 亀井 政孝
  • 学会等名: 第47回日本集中治療医学会学術集会
• [学会発表] Fontan循環患者に対する緊急腹腔鏡下胃軸捻転症手術の麻酔管理をいかに成功させたか (2019)
  • 著者名/発表者名: 木村隼大, 伊藤芳彰, 中森裕毅, 坂倉庸介, 亀井政孝
  • 学会等名: 日本小児麻酔学会第25回大会
• [学会発表] Aortic Insufficiency After Short-term IMPELLA Insertion (2019)
  • 著者名/発表者名: Yoshiaki Ito, Yuki Nakamori, Hiroshi Yonekura, Yasunori Matsunari, Masataka Kamei
  • 学会等名: ANESTHESIOLOGY 2019
  • 国際学会
• [学会発表] Prophylactic ECMO Cannulation During TAVR in a Prohibitive Surgical Risk Patient (2019)
  • 著者名/発表者名: Taiki Nishiba, Yuki Nakamori, Hiroshi Yonekura, Makoma Ookawa, Yasunori Matsunari, Masataka Kamei
  • 学会等名: ANESTHESIOLOGY 2019
  • 国際学会
• [学会発表] 心室中隔穿孔修復術後に左室流出路狭窄をきたした1例 (2019)
  • 著者名/発表者名: 松村佳織, 松成泰典, 住吉美穂, 中森裕毅, 亀井政孝
  • 学会等名: 日本心臓血管麻酔学会第24回学術大会
• [学会発表] 専門医コースレクチャー:小児 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森裕毅
  • 学会等名: 日本心臓血管麻酔学会第24回学術大会
  • 招待講演
• [学会発表] IMPELLA挿入により緩徐進行性に大動脈弁が変性し外科的修復が必要になった1症例 (2019)
  • 著者名/発表者名: 伊藤芳彰, 中森裕毅, 米倉寛, 松成泰典, 玉利裕佳, 亀井政孝
  • 学会等名: 日本麻酔科学会東海・北陸支部第17回合同学術集会
• [学会発表] ロボット支援下食道悪性腫瘍手術において、B1区域気管支起始異常のため気管支ブロッカーでは非換気側の虚脱が十分に得られなかった症例 (2019)
  • 著者名/発表者名: 上垣内佳代, 中森裕毅, 星野太希, 坂倉庸介, 松成泰典, 亀井政孝
  • 学会等名: 日本麻酔科学会東海・北陸支部第17回合同学術集会
• [学会発表] 三重大式デスフルラン活用法：たとえばTAVR症例で (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森裕毅
  • 学会等名: 第4回心臓麻酔達人シリーズ
  • 招待講演
• [学会発表] 本邦における術前検査の疫学調査:レセプトデータベースを用いた大規模観察研究 (2019)
  • 著者名/発表者名: 米倉寛, 中森裕毅, 松成泰典, 境倫宏, 川上浩司, 亀井政孝
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第66回学術集会
  • 招待講演
• [学会発表] 本邦における全身麻酔症例の実態調査:ナショナルデータベースを用いた生態学的研究 (2019)
  • 著者名/発表者名: 大川真駒, 米倉寛, 中森裕毅, 境倫宏, 亀井政孝
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第66回学術集会
• [学会発表] 日本語版CERAD-NAB(CJ-MIE)の作成および文化的言語的背景の差異による課題 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森裕毅, 境倫宏, 玉利裕佳, 松成泰典, 亀井政孝
  • 学会等名: 第31回日本老年麻酔学会
• [学会発表] 日本語版CERAD-NAB(CJ-MIE)の所要時間の実際と周術期評価項目としての妥当性の検討 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森裕毅, 境倫宏, 玉利裕佳, 松成泰典, 亀井政孝
  • 学会等名: 第31回日本老年麻酔学会
• [学会発表] 簡易化に向けての日本語版CERAD-NAB(CJ-MIE)構成項目の評価 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森裕毅, 境倫宏, 玉利裕佳, 松成泰典, 亀井政孝
  • 学会等名: 第31回日本老年麻酔学会
• [学会発表] 当院における90歳以上に施行された大動脈弁留置術(TAVI)5症例の検討 (2019)
  • 著者名/発表者名: 玉利裕佳, 松成泰典, 中森裕毅, 境倫宏, 亀井政孝
  • 学会等名: 第31回日本老年麻酔学会
• [学会発表] シンプルに考える血圧管理 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森裕毅
  • 学会等名: 三重周術期セミナー
  • 招待講演
• [学会発表] RIPCによる脳保護の機序解明を目的としたCSFプロテオーム解析 (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森裕毅, 境倫宏, 小林裕子, 坂倉庸介, 小林一成, 亀井政孝
  • 学会等名: 日本麻酔科学会第66回学術集会
  • 招待講演
• [図書] みんなの呼吸器 Respica (担当:人工呼吸器のグラフィックモニタリング) (2019)
  • 著者名/発表者名: 中森 裕毅
  • 総ページ数: 160
  • 出版者: メディカ出版