研究課題/領域番号 |
18K16484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
青山 文 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (60783735)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 術後せん妄 / 高齢者 / 脳内神経炎症 / ミクログリア / 神経ステロイド / Allopregnanolone / マイクログリア / Allopregnanolon |
研究成果の概要 |
近年、術後せん妄が注目され、その発症は認知機能や生命予後に関連するが、現時点において特異的な治療方法はない。そこで、不安・うつ病などせん妄に類似した病態に効果のある神経ステロイド(Allopregnanolone; ALLO)が術後せん妄に有効であるかどうかを研究した。 まず、研究を開始するにあたり、これまでに存在しなかった術後せん妄モデルを高齢ラットを用いて開発した。その後、本モデルを用いて、ALLOが術後せん妄の機序として有力な脳内の炎症を抑制することと、せん妄の主症状である注意力と認知力を術後も保持することを明らかにした。これらの結果からALLOは術後せん妄に有効である可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術後せん妄は現代医療が解決すべき重要な課題であるが、現時点で有効な治療法がないため、新規治療法の開発および候補となる薬剤の同定が急務である。 本研究では、まずこれまでに存在しなかった高齢ラット術後せん妄モデルを構築したという点が新たな試みとしてあげられる。本モデルにより、せん妄の代表的な症状である、注意力と認知力の評価が可能となった。また、現在米国において承認され、産後うつ病患者に対して使用されている神経ステロイドALLOが、術後せん妄の病態機序として有力な、脳内の炎症を抑制すること、さらに術後の注意力と認知力を保持することを示した。 本研究を通じて術後せん妄の新規治療戦略を発信していく。
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