研究課題/領域番号 |
18K16491
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
松浦 正 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (90619793)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 局所麻酔薬 / パッチクランプ / 心肥大 / 心筋Naチャネル / 心毒性 |
研究成果の概要 |
局所麻酔薬は心臓のナトリウムイオン(Na+)チャネルを阻害して心機能を抑制する。これまで肥大心でその心毒性が増悪するかは分かっていなかった。心肥大においてブピバカインによる心抑制が増強するかを調べた。 心肥大モデルラットを作成し、in vivo実験とパッチクラプン法でのNa+チャネル記録などで検証した。 実験結果から、心肥大ラットではブピバカインの心毒性が増強していることが示された。その機序として、心肥大において心筋細胞膜上に過剰発現しているTRPC3を介して本来細胞膜を通過しない陽イオン型の局所麻酔薬が通過することを明らかにし、それに伴って細胞内のブピバカイン濃度が上昇したためと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究で左室肥大による局所麻酔薬の心抑制の増悪する機序としてTRPC3チャネルの発現が増加しており、そのTRPC3チャネルのポアをイオン型局所麻酔薬が通過することが示された。 近年の高齢化社会により高齢者が手術を受ける機会が増えている。それに伴い左室肥大を合併した手術患者が増加していると考えられる。そういった高齢者で全身麻酔を避けて末梢神経ブロックや局所浸潤麻酔を選択する機会が増えている。後負荷増大に伴う左室肥大が局所麻酔薬による心抑制作用を増悪させるかはわかっていなかったが、本研究ではそのような患者の局所麻酔薬による心毒性の危険性を示し注意喚起している。
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