研究課題
若手研究
プロポフォールのミトコンドリア機能障害による呼吸鎖からの電子の漏れ出しが低減され結果としてプロポフォールによる活性酸素種(ROS)産生が抑制され細胞障害が軽減の機序であると考えられた。このHIF-1活性化によるプロポフォールの細胞障害の軽減作用は、RCC4細胞のPDK-1をノックダウン(RNA干渉法により発現を抑制)したりHIF活性阻害薬YC-1を使用することで消失した。以上の結果から人為的なHIF-1活性の制御によりROS産生を抑えることでプロポフォールによる細胞障害を抑止することができると結論した。
これまで、世界的に著名な歌手・マイケル・ジャクソン氏が常用した結果死亡したり、2歳男児に術後管理目的で大量に投与された結果死亡したりと、度々プロポフォールの危険性が注目を浴びてきた。その一方で、プロポフォールは手術麻酔や集中治療の現場で幅広く使用され、現代医療に不可欠の薬剤である。今回、培養細胞を用いてPRISの発症機序解明に取り組んで、プロポフォールによる細胞死のプロセスにROSの産生増加が大きく関与していることを明らかにし、その制御を遺伝子工学的または薬理学的に行うことがPRISの発症・進展を防ぐための一つのアプローチとなりうることを示したことに本研究の意義がある。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
JA Clinical Reports
巻: 5 号: 1 ページ: 24-24
10.1186/s40981-019-0244-z
Scientific Reports
巻: 8 号: 1 ページ: 8987-8987
10.1038/s41598-018-27220-8
120006539570
PLOS ONE
巻: 13 号: 2 ページ: e0192796-e0192796
10.1371/journal.pone.0192796