研究課題/領域番号 |
18K16516
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
湯本 哲也 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (80535790)
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研究期間 (年度) |
2021-03-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | クラッシュ症候群 / 水素 / 虚血再灌流障害 / 水素ガス / 多臓器不全 / 腸管透過性 / 虚血再灌流傷害 |
研究開始時の研究の概要 |
クラッシュ症候群は大地震などの大規模災害時に四肢を重量物で長時間圧迫されることにより生じる全身反応で重症例では多臓器不全に至り致死率も高い。現在のところ、全身管理以外に特異的な治療法は存在せず、革新的な治療が待たれる。水素には抗酸化作用や抗炎症作用があることが示されており、クラッシュ症候群の主な病態である虚血再灌流障害を軽減する作用が期待される。本研究では動物実験モデルを用いてクラッシュ症候群に対する、水素吸入療法の効果を特に腸管不全に着目しながら明らかにするとともに、そのメカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
クラッシュ症候群(Crush syndrome: CS)に対する水素ガスの効果をラットモデルで検証した。水素群は水 素1.3%+窒素77.7%+酸素21%、空気群は窒素79%+酸素21%のガスをチャンバーに満たし、圧迫解除直後にラットをチャンバー内で最大24時間管理した。24時間生存率は水素群で100%、空気群で44.4%と改善した(p=0.035)。水素群では圧迫解除から18時間後の乳酸値、CK値の低下を認め、大退筋組織は水素群で間質の浮腫と出血像、好中球の浸潤が抑制された。水素ガスの吸入によりラットCSの生存率を改善し、これは圧迫部の虚血再灌流後の筋障害を軽減するためと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素ガスの虚血再灌流障害に対する有効性がクラッシュ症候群でも立証できたことの学術的意義は大きい。また、社会的にも大地震をはじめ大規模災害の多い本邦において、将来的にも多数の傷病者発生が懸念されるクラッシュ症候群に対する新規治療法としての臨床応用が期待できる。また,水素ガスは比較的安価であり,医療経済的にも意義が大きいと考えられる。
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